暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
用心棒‐グレンファイヤー-part1/アルビオンへ
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俺は…『また』守れなかった…)
テファは、彼と一日を共に長く過ごすようにもなったから、彼の様子を必然的によく見ることになる。彼の表情が、時折悲しく見える時があった。
「酷いやけどだったけど…何があったの?」
「…」
シュウは無言だった。真実をいえるはずもないだろう。
(湖で会った金髪巻髪女とキザなダサ男はどうせ会うこともないだろうし、俺と同じ地球人で巨人へ変身できるあいつなら適当に隠すだろう。それに、見ず知らずの人間がウルトラマンになった話なんて、あの状況からして信じてもらうこともほとんどないから気にはしていないが…)
テファの場合だと違ってくるだろう。自分がウルトラマンだと知ったら、必然的に自分がビーストと戦うことを悟られる。彼女のような人間に、自分は命の危険に己が身をさらしてますと言うようなことを言ったら酷ではないのか?
…いつから俺は他人に気を遣うようになったんだ?シュウはあまり自分が他者を思いやるような性分さえ持っていないつもりだったから、テファに気を遣おうとする自分に違和感さえ覚えていた。
先日の闘いの結果を、気にしている。黙っているシュウを見かねてそう思ったマチルダがフォローを入れた。
「実は、…火事になっちまった家に閉じ込められた人を助けたんだよ。それでね」
「火事の家に!?」
まるっきりの嘘だった。でも、シュウのやけどだらけの体がその証拠となってくれたために信憑性は十二分にあった。さすがに彼の力については語らないままでいた方が賢明と判断しての嘘だった。
「大丈夫だったの!?」
自分たちの信じるマチルダが嘘を言うはずがないとでも思っているのか、テファがすっかり信じ切った様子が伝染したのか、子供たちさえもその話を信じた。もっとも、年長者であるサム少年は半信半疑だった。
「シュウ兄、火事から人を助けるなんてかっけー!」
「ん、あ…ああ…」
ジムが目を煌めかせながらシュウを褒め称えた。シュウは少しこそばゆくもあったが、同時に奇妙な罪悪感にもさいなまれた。何せ、こんな話を信じるほど純粋な子供を騙しているのだから申し訳ない気持ちが立ってしまう。
テファはシュウの腕に包帯を巻きながら彼を見た。顔にまでやけどを負っている。彼は自分を助けるために、メイジを入れ込んだ盗賊の一団、そして突如現れた怪物…ビーストを相手にたった一人で挑むことも躊躇わなかった。テファははっきりと、シュウの特徴の一つを捉えた。この人は、自分以外のためならどんな無茶も平気でやろうとする人なのだと。それは、この人なりの優しさかもしれない。でも…テファは少なからず、自分自身のことを蔑にしているシュウに不安を覚えていた。というか、本当に火事の中から人を助けたのか?だったら、なぜかすかに憂い顔を表したのだろう?
もし、本当に火事に飛び込んでその中に取り残された人
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