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歳の差なんて
第三章
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 また素直に答える。
「もうすぐ誕生日ですけれど」
「そう。じゃあ恋をしなさい」
 ここまで聞いてこう美香に言うのだった。
「恋をね。いいわね」
「恋ですか」
「彼氏いるの?」
「いました」
 過去形だった。
「昔は、ですけれど」
「高校の時?」
「はい、二年の時です」
 こうおばさんに答えるのだった。
「一年の頃から付き合っていたんですけれど」
「そうだったの」
「けれど。喧嘩して」
 やはりそれであった。よくある話だ。
「詰まらないことから」
「よくある話ね。じゃあ今はフリーなのね」
「はい」
 はっきりと答えた美香だった。
「三年の時も今も」
「まあ、こういうのは引き寄せだからね」
「引き寄せですか」
「作ろうと思って作れるものじゃないし作るまいと思ってもできるものなのよ」
 人生を感じさせる言葉だった。少なくともおばさんにとってはこれは実経験からの言葉であるのがよくわかる、そういった言葉だった。
「相手っていうのはね」
「よく聞きますけれど」
「私の旦那だってね」 
 こうした話では定番だがおばさんは自分のことを例えてきた。
「そうだったしね」
「出会いですか」
「そう、出会いよ」
 引き寄せをこうも言い換えてきた。
「こういうのはね」
「そうなんですけれどね。どうも」
「気長に待つことね」
 静かに美香に語る。
「こういうことはね。急に出て来ることもあるし」
「急にですか」
「だからあれよ」
 また美香に言ってきた。
「韓流ドラマや大映ドラマみたいにね」
「突然はじまると」
「そういうこと。わかったら」
「ええ」
「待つことね。今は」
「わかりました。それじゃあ」
「韓流ドラマか大映ドラマ、どっちがいいかしら」
 笑いながら美香に尋ねるのだった。
「美香ちゃんは。どっちなの?」
「今のドラマがいいです」
 しかし美香はどちらも取らなかった。かわりにこう言ったのだった。
「今の感じで」
「今のですか」
「はい。何だかんだで日本の今のドラマみたいなのが一番です」
「オーソドックスねえ」
 おばさんは今の美香の言葉を聞いて腕を組んだ。どうも今一つ面白くなさそうである。
「それって何か」
「けれどやっぱりそれが一番自然なんじゃないですか?」
 あくまでドラマという意味でだがそれでも言うのだった。
「やっぱり。一番感動しますし」
「まあそれはそうだけれどね」
「ああいうふうに奇想天外なのもいいですけれど」
「実際にあったら疲れるわよね」
 おばさんはその韓流ドラマと大映ドラマを思い出してそのうえで考えて述べた。考えてみれば確かにそうだ。その通りだった。
「本人達なら尚更ね」
「下手したら死にますしね」
「周りが簡単に死ぬ
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