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DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第五話
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てありがとう。厳しい戦いになると思うけど……ALOを取り戻そう!」
「「応!!」」

 メンバーたちの威勢のいい返事を頼もしく思いながら、キリトは強くうなずく。

 
 今回メンバーを集めたのは、ALO上空にうかぶ新生アインクラッドだ。なぜ地上ではないのかと言うと、上空から降下した方が、イグドラシルシティに早く着くからに他ならない。さらに、エインヘルヤルの配下である黄金のガイコツには、どうやら飛行能力がないらしいことが判明していて、地上を進むよりも上空降下のほうが安全性が高い。

「キリト君……」
「パパ……」
「大丈夫……大丈夫だ」

 不安そうに、隣を飛ぶアスナと、頭上のユイが呟く。キリトは彼女たちと、そして自分にも言い聞かせるように答えた。


 世界樹イグドラシルの上に作られた街、《イグドラシルシティ》は、荘厳な建物を片っ端から破壊されていた。廃墟には黄金のガイコツ達がうごめき、広場があったところは王座のように開けている。

 その中心に、白い少女。幽霊めいた儚さと異質さ、そして外見通りの幼さと、見合わない美しさを兼ね備えたその少女の名は、エインヘルヤル。エインヘルヤル・イクス・アギオンス・レギオンルーク……今回の惨劇を引き起こした、《白亜宮》のレギオンの一員。

「……」

 気付いた。しかし、手を出してこない。キリト達のレイドがイグシティに着陸するまで、彼女は静かにたたずんでいた。

「……よう」
「ええ……久しぶり……名前、何だったかしら?」
「キリトだ」
「そう。か弱い命の名前なんて覚えてなかったわ」

 自分で聞いたくせに、そう答える。苛立ちを覚えなくもないが、そう言う奴なんだろう、と割り切って、話しを進める。

「ALOを返してもらうぞ」
「……いやだと言ったら?」
「お前を倒すだけだ」

 その瞬間。

 エインヘルヤルの纏う気配が、急激に重圧を帯びた。

「馬鹿ね。以前既に負けている、と言うのに、まだ戦うと?」
「当然だ。ここは俺達の場所だ。お前には渡せない」
「そう……お兄様の筋書き通り、か……つまらない。じゃぁ、消えてもらおうかしら」

 そして彼女が唱える。以前キリト達を一瞬のうちに滅ぼし去った、悪魔を呼び出す式句を。

「『十九八七六五四三二一〇
  いと尊き我が兄に、この誓いを捧げます』」

 重圧はますます強くなっていく。動けない。無防備なエインヘルヤルに一太刀入れられてもいいようなものなのだが、全く動けないのだ。

 これが、彼女の能力の一端でしかないことは、既に知っている。

「『私の存在(からだ)は、あなたの心を埋めるために創られ
  また私の心は、あなたの傷を癒すためだけに存在する。
  されば、私は其を是と
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