第十三章
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「美香の気持ちもわかっていますか?」
「ええ」
また頷く先生だった。
「それはもう。御聞きしています」
「そうでしたか」
「娘もまたそれは知っています」
先生はこのことも話すのだった。
「それも」
「わかりました」
奈緒はまた先生の言葉を受けた。
「先生のお気持ちも事情も」
「駄目かしら」
ここでやっと美香が口を開いた。少し上目遣いになっているのがいささか弱気に見える。その弱気さが普段の美香と全く違っていた。
「私と先生じゃ。やっぱり」
「あのね、美香」
だがここで奈緒は。落ち着いた顔でその美香に対して言うのだった。
「言ったわよね」
「何を?」
「私は。美香の友達だって」
「ええ」
「親友だったわよね」
このことをあえて話すのだった。ここで。
「それは言ったわね」
「ええ、言ったわ」
「だからよ。私は美香が好き」
「私のことを・・・・・・」
「美香も私のことが好きなのよね」
「そうよ」
二人の気持ちは同じだった。しかしだった。そこにあるのは友情だった。二人の心からの友情がそこにあるのだった。
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