第十章
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
こと?」
「その通り」
逃げるのは許さないといった口調だった。
「その通りよ。そこはどうなの?」
「そう言われると」
「怒ったりどうとかはしないから」
このことを保障してみせた。
「そこは安心して」
「絶対なのね」
「女に二言はないわ」
これまでになく強い断言だった。
「絶対にね」
「わかったわ。じゃあ」
奈緒のその言葉を聞いて意を決した顔になる奈緒だった。
「それじゃあね」
「どうなの?」
「今はそこまではいってないわ」
本当に正直に述べた美香だった。
「それはね」
「ないの」
「今は、だけれど」
ここで顔を下に向ける美香だった。
「何かこのままいったら本当に好きになりそう。凄くいい人だから」
「そうなの。やっぱりね」
「好きになったら駄目かしら」
「だから。年齢が違うわよ」
奈緒が言うのはここでもこのことだった。
「あんたはまだ十八、それで先生は」
「三十代も後半でしかも子供さんまでおられるのね」
「本気で付き合う相手としては辛いものがあるわよ」
また言う奈緒だった。
「それはわかるわよね」
「ううん、確かに」
「それでもいいの?」
奈緒の顔が少し前に出て来ていた。
「付き合うとなると。それでも」
「それは」
「よく考えなさい」
また言う奈緒だった。
「よくね。普通の相手じゃないのよ」
「そうなの」
「歳が離れていればそれだけ」
またここを強調してきた。
「問題が出るのよ。本人だけの問題じゃないから」
「私だけの問題じゃない」
「そうなのよ。本当によく考えなさい」
忠告になっていた。
「よくね」
「・・・・・・ええ」
「このことは本当に言っておくから」
言葉がさらに釘を刺すものになった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ