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東方大冒録
幻想の、始まり。
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………!!!」

紫が、なきながら土下座をしていたのだ。さすがに暗基もやりすぎたと思い、あわてて、

「い、いやいやいやいや!!! 今の冗談だよ!!? おれ女性に土下座させる趣味はないからなおい!!?」

というが、それでも紫は頭をあげようとしない。

「お願いします……!!! 私達は、今の幻想郷が好きなんです……!! せっかく出来上がった全員が好きになれる幻想郷を、私達は壊したくないんです……! お願い……、ぐすっ、します……!!」
「あぁぁぁぁもう!!」

すると藍もやけくそになったのか、

「私からもお願いします!! どうか私達の幻想郷を、助けてください!!!!」

土下座してしまった。

(や、やべぇどうしようからかったつもりだったのに……!)

暗基は、ちょっとからかうつもりがとんでもないことをしてしまったとさすがに感じてしまい、

「す、すまなかった!!」

素直に謝った。































「…………」
「……………………」
「……、あの……」

スキマの中に、静かな時が流れる。あの後必死で紫と藍に謝罪したが、さすがに度が過ぎていたらしく、まじめに口を聞いてくれなくなってしまったのだ。それでも紫と藍の手だけはちゃんと動いているあたり、とりあえず分かってはくれたようだ。

「あ、あの、紫様? 藍様?」
「……」
「…………」
「すみませんでしたホントに……」
「……、べつに、もういいわよ」
「まったく……、私は別にかまわないがな、紫様にあそこまで恥をかかせるとは……!!!! おのれ暗基零……!!!!!!」
「藍!!! やめなさい!!!!」
「しかし紫様……」
「しかしも何もないでしょ!!」
「…………、もう二度と、このようなうそはつくなよ? いいな?」
「は、はいぃ!!!」

紫はもう許してくれているようではあったが、藍は本気で怒ってしまったようだ。本当に申し訳ないことをした。

「それはそうと、これから暗基君に行ってもらいたいのは、紅魔館よ」
「紅魔館、ですか……」
「えぇ。あそこが一番最初に被害を受けたからね。あそこからつぶしていったほうがいいでしょう」
「わかった」
「あ、その前に」

そういうと紫は懐から10枚の白い紙を取り出した。

「これは?」
「あなたのスペルカードよ。これに貴方が使いたいスペルを念じると、スペルが使えるようになるわ。とても厳しい戦いになると思うけど、がんばってね」
「ありがとう」
「それじゃ、紅魔館への道を開くわ」

そういって紫はスキマを開いた。きっとこの先に、紅魔館へと続く道があるのだろう。

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