幻想の、始まり。
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話しかけられるような感覚を覚える。
「……けて」
「た……て…れ……だぜ……」
「こ、こいつはいったい!!?」
あまりに不思議なことが起こり、あっけに取られていると紫が突然、
「これで確定ね」
「そのようですね」
「さぁ、戻ってらっしゃい!」
手に持っていた扇子で暗基の頭を引っぱたいた。ひっぱたかれた暗基はすぐに現実世界に引き戻される。
「っ!? 紫、これは何なんだ!!?」
「それは、マガイモノによって封じ込められてしまった、霊夢と魔理沙本人よ」
「えっ!?」
「その中から声が聞こえたでしょ? それが証拠よ」
「実は、幻想郷に存在する、本当にごく一部を除き、すべての力ある者が、マガイモノ、つまり偽者によって道具の姿にされて封じ込められてしまったんだ」
「!!?」
なんということだ。力のある者……、つまり本当にすべての者が封じ込められてしまっているのか。
「なんで、封じ込められたんだ……?」
「それは優理亜の能力。『偽りを捻じ曲げる程度の能力』の影響よ」
「偽りを、捻じ曲げる?」
「そう。優理亜は、ありとあらゆる『もの』の偽物を創り出し、それを強引に本物にしてしまう能力を持っているわ。その能力を使用されたものと本物が触れ合ってしまうと、本物は何かしらの別のものとなって、封じ込められてしまうのよ」
「じ、じゃあ、霊夢や魔理沙も、その能力にあてられて!?」
「あぁ。しかもこの能力はとてもたちの悪い能力でな。その偽物には、優理亜と同じ、『偽りを捻じ曲げる程度の能力』が備わってしまう。物にはその能力は付加されないようだが、創り出した偽物が能力を持つ者であったら、その本物が本来持つ能力に加えて優理亜の能力を持つことになる。この意味がわかるか?」
つまり。霊夢が本来持っている能力は『主に空を飛ぶ程度の能力』。偽者が創り出されると、それに『偽りを捻じ曲げる程度の能力』が追加されるということになる。
「ま、マジかよ……!? 下手に手出しが出来ないってことじゃねえか……」
「そこで、貴方の出番、ってことなの」
「は?」
優理亜の能力の恐ろしさはよくわかった。だが、そこでどうしておれの出番なのか……?
「貴方が普段『霊力を感じ取る程度の能力』と名づけているそれ」
「あぁ、それが何だ?」
「実はまったく違うのよ」
「えっと、つまり?」
「貴方の能力は、『霊力を感じ取る程度の能力』ではなく、『ありとあらゆるものを普通とみなす程度の能力』と、『霊力を開放する程度の能力』の2つなのよ」
……、ありとあらゆるものを、普通とみなす、程度の能力? それに霊力を開放する程度の能力? てかその前に2つってどういうことだよ?
「なんだそのよくわからん能力? そもそも2つってどういうこ
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