原作が始まった訳だが……どうしよう
32話
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うか?対人最強のゴッドイーターとか嫌すぎるだろ?
そんな事を考えていると、カノンの大きく振りかぶった一撃が俺の胸の辺りを掠った。その直後カノンは片目だけを閉じて、神機を構え直していた。
カノンが何故片目を閉じているのかを考えた瞬間に答えはでた。さっきの一撃の時にピンを抜いたスタングレネードを、俺のシャツに引っ掛けていたらしく、至近距離でスタングレネードの爆発を喰らった。
流石にこの距離では左腕の目も機能せず、視覚と聴覚を完全に麻痺させられる。これは不味いな……流石に肌に伝わる空気の振動やらだけで補足するのはかなり難しい。
とはいえ、立ち止まるわけにもいかず、全力で上に跳躍して天井に張り付く。
「あ、ズルいですよ」
「無茶言うな、イザナミと違って防御方面はあまり得意じゃないんだ」
視覚が回復してから下にいるカノンを見ると、先程俺のいた箇所の後ろに回って、俺が後ろに逃げるのを待ち構えていた。あの時、俺が上に逃げずに後ろに下がっていたら、後ろから撃ち抜かれて背中からデカい穴を作られただろう。
なんで訓練で死ぬような目にあっているんだ?実弾だからってあんな殺る気満々な戦法を取るって、俺ってそんなに恨まれてたのだろうか……
うん、今度買い物にでも付き合ってやるとしよう。
その後、カノンから使えそうな戦術が尽きたという言葉で何とか怪我を負うこと無く、少しだけ時間を残したまま訓練場を出ることが出来た。
訓練場を使い終えた事を報告するためにロビーに行くと、妙に皆が騒がしく話していた。とはいえ、別段さしたる興味も無かったので、受付に届けを出す。
さて、部屋に帰ってシャワーでも浴びよう。そう考えてエレベーターを待っていると、ユウが俺の待っていたエレベーターに乗っていた。
「ん?ああ、遅くなったが隊長昇進おめでとう」
数日前、ユウは隊長になったのだったな。如何せん会う機会も無かったので、こうやって祝いの言葉を贈るのもできなかったのだ。
「ありがとうございます」
「ところでその格好、任務の帰りか?」
ユウの制服は所々に返り血のようなものが付いており、他にも裾などに泥やらがちらほら付いている。
「あ、はい。初めての相手だったんで、少し手間取ったんです」
「相手は何だったんだ?」
「ウロヴォロスです」
「……単独討伐か?」
「はい」
ですよねー……今でこそ手間はかかるが問題無く狩れるんだが、ウロヴォロス……いや、イザナミにはこの世界に来て死にかける目に合わされた俺としては、少し手間取ったの一言で済ませられるとなんとも言えない気分だ。
それに人間の身でありながら単独討伐を無傷で達成したのだから、アラガミの身で死にかけてやっと逃げられた俺は何だろうと軽く凹む。
これが才能の差とでも言うべき何だろうか
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