第二十九話 番外編〜結婚式での一騒動〜
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「アベルたち、どこにいるんだろ」
パーティー会場である(ルドマンさん所有の)カジノ船にはサラボナの住民全員が乗っているためアベルたちを探すのは骨だ。スラリんちゃんたちも参加客に紛れて姿が見えないし。
「とりあえず、何か食べよう」
食事をして、アベルたちが見つかったら一緒に食べよう。
そう思い、私は食事を取りに行った。サーモンやチキン、スープにサラダを取り分け適当な席に着くと食べ始めた。
「あれ?あんたどうして一人なの?」
「あ、デボラ」
いい所に来てくれたデボラ!
「アベルや魔物たちが見つからなくて。それで見つかるまで一人で食事をとろうかと」
「あんた……。アベルだったらあそこらへんにいたわよ」
「え、ホント!?ありがとデボラ」
私はデボラが指した方向に向かっていった。しかし。
「いや、ホントどこにいるんすかアベルさん」
アベルが見つからない。それに足が疲れてきた。
「……ちょっと休むか」
近くに飲み物が置かれていた。たぶんジュースだろう。
「これがおいしそうだな」
私は一番手前にあった赤いジュースを手に取り、飲み始めた。
*
「……星が綺麗ね、アベル」
「ああ、ビアンカ」
二人はパーティー会場から少し離れたところで星を見ていた。
「けど夢にも思わなかったわ。まさかアベルと私が結婚するなんて」
「僕もだよ。けど、君と冒険するのをずっと楽しみにしていた」
「アベル……」
「僕がヘンリーと共に、光の教団の奴隷になっていた時あの地獄のような場所で生きてこれたのは、母さんを探す望みと……君と再会してまた冒険する。この二つがあったから僕は今日まで生きてこれた。
……君の事をずっと思ってた」
「私もアベルの事をずっと思ってた」
「ビアンカ……」
「2歳年下だから、私が頼りになるお姉さんになろうって思ってた。けどレヌール城に、お化け退治に出かけた時アベルは私の事を守ってくれた。私より小さいのに魔物たちと必死になって戦っていた。
あの時は幼くて、自覚していなかったけど山奥の村に引っ越してからは気づいたの。私はアベルに惚れていたんだって……」
「………」
「大好きよ、アベル」
二人はお互いを抱きしめあって口付けをした。(ちなみに後ろには魔物たちが静かに喜んでいた。)
「アベル、アベル!」
大声にびっくりし、アベルはビアンカをはなすと声がした方向に目をやった。
「ヘンリー。どうかしたのか?」
「ミレイが、大変な事になってる!」
「どういう事だ!?」
「とりあえずおれについて来てくれ!」
ヘンリーの後にアベル、ビアンカ、魔物た
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