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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第22話-2 『まくらと計佑、雪姫とアリス。「笑い事じゃないよぉっ!?あの人の場合、本当に実現しそうな未来じゃないの……!」』
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 想像してみる。
 25、6歳くらいの立派な青年になった計佑が、
今の自分と同い年くらいの女の子達を、カワイイと褒めまくったり、お腹を撫でたり髪を梳いたり──

──いやいやいやっ、そんな!! いくらなんでも、そんなコトはありえないし!!!!

 そう、いくらなんでも、そんな事をやる筈はない。……と、思う。……けれど。
アリスと同じとまではいかなくても、
確かに気安く……碌な遠慮もせずに、色々やらかしそうな気はする……

──そう気付いた瞬間、ゾクゥ……っと、背筋を悪寒が走った。

──……全然ありえなくない!! 計佑くんだったら、すっごいありそうな気がする……!!!

 アリスの言いたい事を理解した雪姫が、恐ろしい将来にブルリと震えた。
 その震えを太ももから感じたアリスが、

「あははははは!! おねえちゃん本気で焦ってる!! そんな未来のコトなんてわっかんないのに、おっかし〜〜〜!!!!」

 お腹を抱えて、足をバタつかせて笑い出した。
……アリスとしてはちょっとしたからかいのつもりだったようだが、心配性の乙女は本当に焦っていた。

──笑い事じゃないよぉっ!? あの人の場合、本当に実現しそうな未来じゃないの……!!

 終いには、爪まで噛み始めてしまう雪姫。
 そんな雪姫を他所に、アリスはしばらく笑い続けていたが、
やがて落ち着いてくると、その表情をニマっとしたものに変えた。

「……ん〜?  おねえちゃん、アイツとの未来が本気で不安になっちゃった?
だったら今のウチにやめといた方がいいんじゃないかな〜?
……そしたらさあ、さっき言った通り、けーすけは私がもらっといてあげるからさ〜」
「なあっ!? ア、アリスっ!! や、やっぱりあなた、本当は計佑くんのことっ……!?」

 10年後の脅威より、今の脅威──アリスの言葉に雪姫が慌てふためくと、

「あははははは!! また引っかかった!! おねえちゃんホントにカワイイな〜〜〜!!!
ぬいぐるみとかの趣味だけかと思ってたのに、ホントはこんなに子供っぽかったんだ〜〜〜〜!!!」

 またもアリスがゲラゲラと笑い始めて。

「な、なっ、な……! ……もう怒った!!  絶対許しませんからねっアリス!!!!」

 ついにキレた雪姫が、アリスに襲いかかる。
──とは言っても、暴力なんかには基本無縁の少女、せいぜいくすぐりにかかる程度の事だったが……
しかし、昼間の計佑の言葉からもわかる通り、くすぐりをそこまで苦手としない少女にはあまり効果がなくて。
それどころか逆襲にあい、雪姫の方こそ悶絶する羽目になってしまい──

……この日を境に、雪姫とアリスの関係は微妙に逆転してしまうのだった。


───
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