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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第22話-2 『まくらと計佑、雪姫とアリス。「笑い事じゃないよぉっ!?あの人の場合、本当に実現しそうな未来じゃないの……!」』
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人に無邪気に絡みつくのは慎みがないとは思わない?」

 そう説くと、アリスは口をぽかんと開いて「……はぁ……」と気のない返事をしてきた。

「なんですか、その気のない返事は。いい? 男の子というものはね──」

──アリスへのお説教……それは、男への接し方についてだった。
どんなに幼く見えても、アリスは中学二年の14歳なのだ。
昼間のような、はしたない真似は許されない。
そう、これはアリス自身の為にも、やめさせなければいけない事で。

「──いい? 男の子というものはね──」
「お姉ちゃんでもヤキモチなんか妬くんだねぇ」
「いつだって──んなっ!? ア、アリスっ!!??」

 男の子について語ろうとした瞬間、割り込んできたアリスのセリフに、雪姫が泡を食った。
……あっさり真意を見抜かれてしまっては無理もなかった。

『そうよっ、これはアリスのためのお説教なんだから』

そんな風に、きっちり "自己弁護" した上で始めた "お説教"。
──確かに昨夜、計佑の方から構う分には仕方がないと "一応" 納得した。
けれど、アリスの方からベタベタくっついていくのは、またちょっと話が違う。
そう考えての、"お説教" ──という名目の焼きもちだったのだが。

──う、ウソっ!? なっなんでこんなにあっさりバレちゃうのぉ!?

「ちっ違います! こっこれはっ、そのっ、あのっ……!」

 まさかアリスに、こんなにあっさり見抜かれるとは夢にも思わなかった。
……いや、自分が甘すぎたのか。
 考えてみれば、一昨日だって自分の思惑──アリスに張り合おうと、計佑に髪を見せつけた──をきっちり見抜いてきた。
やはり、どんなに無邪気に見えても、アリスも立派な女のコだったのだ。
 そんな、今さら気付いても遅い事実に後悔して。
雪姫が余裕をなくしていると、アリスがうんうんと頷いてみせた。

「そっかぁ……お姉ちゃん、なんだか今日の帰りからミョーに元気ないと思ったら……そういう事だったんだぁ」
「だっ!! だから違うといってるでしょお!?」

──実際には全然違わないのだが、雪姫が必死にバタついて否定していると、アリスがニマ〜っと笑ってみせた。
(その表情は、雪姫が計佑に見せるそれと良く似ていたりしたが、
そんな事は雪姫には分からない事だし、わかったとしても今の雪姫にはどうでもいい事だった)

「ふーん……ふぅう〜ん……お姉ちゃんが、まさか焼きもちなんかをねぇ……」
「アっ、アリス!! いい加減にしなさい!?」

 ついに雪姫が手を振りあげるが、実際には振り下ろされる事などないと分かっているアリスが、
「キャー」とわざとらしい悲鳴を上げてみせてから、ニマニマ笑いを引っ込めた。

「あははっ、おねえ
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