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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第22話-2 『まくらと計佑、雪姫とアリス。「笑い事じゃないよぉっ!?あの人の場合、本当に実現しそうな未来じゃないの……!」』
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た。
 
 確かに、口をパクパクさせながら、こちらを見つめてくる計佑の顔は愉快だった。
──けれど、やがて計佑が女子たちに群がられて、
悲鳴を上げ始めてからは……もう楽しい気持ちなんて、微塵も感じられなかった。

 もはや焦りしかない雪姫が、「ぁっ、ぁっ……」と小さい声を上げ続けても、
そんなものは計佑の悲鳴、そして少女たちの怒声や楽しそうな声でかき消されてしまって。
 やがて計佑がシャツを剥かれて、素肌までいじくり回されてるのに気付いた時、ようやく大声が出せて。
慌てて割り込んで、それでどうにか止める事が出来たのだけれど。

 結局、その後の雰囲気では『アリスを可愛がった分、私も──』なんて言い出す事も出来ずに、すごすごと帰る事しか出来なかった。
──それで結局、ついさっきまで悶々としていたところに、まくらからの電話がかかってきた……という訳だった。

──さて……まくらちゃんが話を聞いてくれたおかげで、随分スッキリ出来たんだけど。
  でも、話してたら……やっぱり、気になってきちゃったなぁ……

 携帯を手にとって。多分、今はまだお風呂にいるだろう相手──アリスにメールを打った。

──あのコには……やっぱりちょっと、"お説教" が必要だもんね……

 そう、自分に "言い訳" して。
送信するとすぐに、とっくにお風呂を済ませていたらしいアリスがやってきた。

「おねえちゃーん、話ってなーにー?」

 ノックもせずに飛び込んできて、いつものように雪姫の胸へとタックルを仕掛けてくる。
──けれど、今日の雪姫はそれを優しく受け止める事はなく、アリスの肩を押さえて留めた。

「……おねえちゃん?」

 不思議そうに見上げてくるアリスに、ちょっと厳しい顔を作って話しかける。

「……アリス。今日は、ちょっとお説教があります」
「え……? お説教……あっ! またノック忘れちゃったから?」
「違います。今日はそんな事どうでもいいの」

 雪姫の言葉に、『へっ?』という顔をするアリス。
いつもは、躾に関しては結構口うるさい自分が『そんな事』などと口にしたのが不思議なのだろう。
……少し失敗してしまったけれど、今の自分にとっては本当に『そんな事』なのだから仕方がない。

「……ちょっとそこに座りなさい」

 アリスをクッションの上に正座させて、自分も向かいに正座した。

「……アリス。貴方は、もう14歳よね?」
「うん。それが?」

 きょとんとした顔のアリス。

「……14歳にもなって、ああいうのはどうかな……と、お姉ちゃんは思うわけです」
「……ああいうの?」
「……つまり。もう、色々と気を遣わなければいけない歳でしょう?
今日の昼みたいな……ああいう、男の
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