暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第22話-2 『まくらと計佑、雪姫とアリス。「笑い事じゃないよぉっ!?あの人の場合、本当に実現しそうな未来じゃないの……!」』
[12/20]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ハッキリと答えた。

「ああ。お前は自慢の妹だよ。だからこそ、ダメな男なんて認められないって、さっきはキレちゃったんだよ」

……そう答えた途端。高揚していたまくらの表情から一気に熱が消えていった。

「……なんだ。結局それか……」
「え……?」

 計佑の反応に、もはやまくらはまるで意識を向けなかった。そっぽを向いて、

「……そりゃそうだよね。わかりきってたコトなのに。……なんで私、いつまでも……」

 そんな事を呟く。そして、はっと鼻で笑った。
といっても、それは計佑を嘲笑しているのではなく、自嘲してるようにしか見えなかった。

「……おい、一体何の話をしてるんだ?」

 さっぱり分からないまくらの言動に首を傾げていてると、漸くまくらが視線を戻してきた。
けれど、そのまくらの目は──もう完全に冷えきっていた。

「……自慢の妹、ね……そんなコト言うけど、あんた最近、アリスちゃんやホタルちゃんばっかりじゃない……」
「……え……な、なに……?」

 いきなりの豹変についていけず、戸惑う事しか出来なかった。
……そしてまくらが、ぐっと瞳に涙を盛り上げた。

「 "妹" としてすら、ほったらかすようになったクセに!!」

 そう叫んで、まくらが部屋から飛び出していく。

「はぁっ!? おっおい、なんだよそれ……!!」

 思わず腰を上げたが、……結局追わなかった。

──ほったらかし……? 何の話だよ。オレはいつも通りにしてただろ……?

 そんな風にしか思えなかったし、
完全にヒステリーを起こしたまくらは、時間を置かないと話なんて聞いてくれないのが常だったから。
気にはなるが、少なくとも一晩は置かないと、まくらの場合もっと意固地になってしまう。

「くそっ……珍しく褒めたんだぞ? 何で、それでキレるんだよ……」

 まるで訳が分からず、結局そんな悪態をつく事しか出来なかった。

─────────────────────────────────

──まくらが、『昼間の続きだよ』と計佑の部屋を訪れる少し前。

「あ〜〜〜……すっきりした!」

 まくらとの通話を終えた雪姫が、そう独り言を口にして。椅子に座ったまま大きく伸びをした。
 まくらからの電話がかかってくるまでは、ずっともやもやした気持ちを抱えていたのだけれど。
まくらに話を聞いてもらった(……この少女には『惚気た』などという自覚は全くなかった……)
お陰で、随分とスッキリ出来たのだった。

 ちなみに、そのもやもやの理由は──昼間の "大失敗" イタズラのせいだった。
計佑をいぢめてやろうと、助けの求めにあんな答えをしてみせたのだけれど。
楽しい気分でいられたのは、本当に最初だけだっ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ