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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第22話-2 『まくらと計佑、雪姫とアリス。「笑い事じゃないよぉっ!?あの人の場合、本当に実現しそうな未来じゃないの……!」』
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れだけの事」
「……そいつには、もう恋人がいるってことか?」
「ううん、恋人……ではまだないんだけど。見てれば分かるんだよね、どれだけその人のこと好きかなんて、さ……」

 そう答えて、まくらがフッと苦笑してみせた。

「なんで決め付けるんだよ……外から見てるだけで、人の心なんて完全に見透かせるワケないだろ?」

 鈍感で、恋心なんてさっぱりな少年が、それ故にそんな言葉を口にしたが、

「……まあ、計佑にはわかんないだろうね……色んな意味で、さ……」

 まくらが、複雑そうな顔つきでこちらを見つめて。

「その女の人、すごく素敵なんだよ。……私なんか、どう逆立ちしたって勝ち目ないんだ」

 そう、寂しそうに。諦めたように笑う幼なじみに──苛つきを覚えた。

──……何が『私なんか』だよ……

 いつも元気で、ニコニコ笑顔を振りまいて、周りも元気にさせてみせる、最高に明るくて可愛い女の子。
──コイツより素敵な女子なんて、滅多にいる筈がない。
……そんな風に考えて、

──……って、何恥ずかしいコト考えてんだよオレは〜〜〜!!!

 シスコンだと自覚した途端にこれなのか──!?
そんな恥ずかしさに、頭を動かして。まくらから顔を隠すように、今度は額をベッドの縁に乗せた。

「『私なんか』なんて言うなよ。
……これは茂武市から聞いたんだけど。お前、男には人気なんだってよ。
明るくて、周りまで元気にさせてくれる、笑顔が最高にカワイイ女のコで。滅多にいない美少女なんだそうだぞ?」

 ついさっき自分が考えていた言葉を、茂武市のセリフだと誤魔化して、まくらに告げた。
……まくらの顔を見ながらで言える筈もなく、相変わらず顔を伏せたままだったけれど。

「……他の人にどう思われたって、肝心のその人にそう思われてなきゃ意味ないじゃん……」

 それでも、まくらから返ってきたのは、寂しそうな声で。それに、思わずベッドから顔を上げた。

「あ〜も〜!! まくらのくせに何いじけてんだよ!!
10年以上一緒にいたオレから見てもそう思えるんだから、自信もてよ!!」

 茂武市のセリフだと誤魔化そうとしていたのに、結局そんな風にぶちまける事になった。
そして、まさか計佑からそんな言葉が飛んでくるとは、夢にも思っていなかっただろう幼なじみが、

「……へ……? ……えぇえっ!! うっウソ……!!!??」

 首まで赤くなっていく。
自分も負けず劣らず真っ赤になっている気がしたが、もう目は逸らさずに、じっとまくらを見つめ続けた。
──やがて、まくらのほうが目を逸らして。

「……ほ、……本当に、……計佑も、そう、思ってるの……?」

 もじもじしながら、そう尋ねてくる。それに、
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