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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第21話 『あの時の公園で。「結局……計佑くんは、私のことキライなの……?」』
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い少年が考えるのは、そんな事くらいだった。

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 夕方になって帰宅した計佑は、まずホタルを探した。

──やっぱりいないのか……

 校内や道中でも一応ホタルを捜しながら帰ってきたのだが、見かけることはなく。
そして家に着いた今もやはりいなくて、少し不安になる。

──随分寂しい思いさせちゃったからな……しっかり遊んでやりたかったんだけど。

 ただ、今の自分には考えなければいけない事もあった。
ホタルがいないなら、まずはそちらの答えを出そう……そう決めて。
ベッドに体を投げ出して、今日の雪姫のことを考える。

──笑ったら怒ったんだから、ギャグではなかったのは確かなんだよな……

 そこまでは分かっている事だった。

──オレだけを呼び出してたみたいだから、オレだけに見て欲しかった……?

 昼間にも一応思った事だが、多分これも合っている筈だ。

──アリスのモノマネ……アリス?

 窮屈そうな格好をしてまで、アリスの真似をする事に何の意味があったのか? それが分からないのだけれど……

──オレにアリスのモノマネを見せる……アリスのように見られたかったって事?

 少年が、一歩正解に近づいた。

──アリスのようにって……え? そういえば昨夜……

 計佑がアリスの髪を褒めていると、突然これ見よがしに雪姫が髪を解いてみせたりしてきて。
そしてアリスが──『お姉ちゃんも褒めてほしいんだよっ』

──……ええっ!? ま、まさかそういうコトなのかっ!?

 ピシャーン!! と雷に打たれた気がした。ガバッと体を起こし、手で口を押さえて。

──ウソだろっ……!? まさか先輩っ、焼きもちであんなコトしてきたってのか……!?

 ついに正解にたどり着いた少年だが、まだ半信半疑で。

──えっ、だって……あの白井先輩だろっ!? まさかオレなんかにっ……あっいや、でも……

 雪姫が自分の事を本当に、それも凄く好いてくれているらしい……それは昨夜、計佑が漸く理解した事だった。

──ヤベっ……自惚れかもしんねーのにっ……なんかニヤケてきちまう……!!

 雪姫が焼きもちを妬いてくれた。
やっぱり、そんなに自分の事を好きでいてくれるんだ──そう思うと、ニヤニヤが止まらない。
顔が熱くなって、誰もいないのに顔を膝に押し付けて隠してしまう。

──いやっ、これが正解って確証はまだないんだけど……
  でもっ、もしそうなら先輩がキレんの当たり前じゃねーかよっ!? 何してたんだオレ……!!

 嫉妬からの行動をバカみたいに笑い飛ばすなんて。
ようやく自分がしでかした事に気づいて、舞い上がっていた
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