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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第21話 『あの時の公園で。「結局……計佑くんは、私のことキライなの……?」』
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だけを意識しているとは言ってもらえたが、この調子では付き合ってもらえる日が来るとしても、どれだけ先になる事やら……思わず、溜息も出てしまう。
 そして計佑は、そんな雪姫に慌てた様子で、

「もっもしかして、オレのコトもうイヤになりました!?」

 そんな事を訊いてくる。

「もうっ!! なるワケないでしょっ!?
キミは、私にとって世界にただひとりの、大好きな男の子なんだからねっ! いい加減、はっきり理解しなさいっ」

 計佑の右手を握っている左手に、ギュッと力を込めた。
 ありえない事を口にする少年に腹がたって、でも自分に嫌われるのを怖がってくれた事は嬉しくもあって。
相反する感情と、どこまでも鈍い少年の大変さに、改めて溜息をつきたくなった。

──ホントにもう……大変すぎるよ。……だけど。

 もう自分は、この少年の事が好きになりすぎてしまった。
こんなに、好きで好きで堪らないのだ。今さら後戻りなんて、まるで出来る気がしなかった。

──……だったら! もうこのまま突き進んで、押し切るしかないじゃない!!

 そう決めて。空いていた右手で、計佑の肩を掴んだ。
 計佑の顔に「え?」と疑問符が浮かんだが、もうそんなものは無視して──素早く、計佑の頬にキスをした。

「……キライになんかなる訳ないけど、我慢は出来なくなるかもよ?
早く答えてくれないと、こういう事、もっとエスカレートしちゃうからね♪」

 本当は自分も心臓がバクバクと限界だったけれど。
目をぐるぐるとさせている少年に、そんな風に嘯いてみせるのだった。

─────────────────────────────────

「じゃあねっ。おやすみっ!」

 自分の頬に突然キスなんてしてきたかと思うと、とんでもない事を口にして。
そんな少女はいきなり立ち上がると、すぐに走りだして公園から去っていく。

 なのに計佑は、立ち上がる事も出来ずに呆然と見送るだけだった。
 いくら家が近いといっても、本来であれば絶対一人で雪姫を帰したりはしなかったが、今はとても無理だった。
……もう、完全に頭が沸騰してしまっていて、まともな思考が出来なくなっている今は。

──……えすかれーとって……なに……?

 初心すぎる少年には、今のでもう限界だった。
 事故でなら、今以上の事も経験済みではあった。
けれど "事故" と "故意" では、同じ行為でもまるで意味合いは違う。
 もしも昨日みたいな事をあえてやられたりしたら、
──雪姫の想像通り、この少年は昨日、雪姫の胸に抱え込まれてしまった一件も倒れた自分を心配しただけだと思い込んでいた──絶対にこちらの身がもたない。
昨日、島の時ほどの醜態を晒さずに済んだのは、ホタルのお
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