暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第21話 『あの時の公園で。「結局……計佑くんは、私のことキライなの……?」』
[2/24]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
普通ではなかった。
 はぁ、とまたまた溜息をついて。計佑とアリスの仲睦まじい姿を思い出す。

──……計佑くんは、アリスのコトは子供みたいにしか思ってない。それは間違いないんだけど……

 にしても、あのいちゃつきっぷりはどうだろう。
あの仲の良さは、今の雪姫が憧れる姿をまさに体現したものだった。
計佑とまくらのような遠慮のなさすぎる関係は、今の自分には刺激が強すぎる。
 それは先日の部活で思い知らされた。
しかし計佑からアリスへのそれは、気安さこそまくらに対するそれと変わらないが、
優しさがまくらへのそれとはまるで違っていて、今の自分が憧れている姿そのままだったのだ。

──……私だって……だっこされたり、髪を梳かれながら褒められたりしてみたい……!!

 子供みたいなアリスに嫉妬するというのも恥ずかしい話だったけれど、それが正直な気持ちだった。

──それに……どんなに小さく見えてもアリスは中二なんだし……

 計佑と2つしか違わない少女。そう考えれば別に嫉妬してもおかしくない筈だ。そして。

──……2つの歳の差……それは私も同じなんだよね……

 雪姫は、自分が計佑より歳上というのをあまり気にした事はなかった。
 最初の頃こそ、計佑に対して可愛いと思う事は多かったものの、
じきに彼に依存する部分が強くなっていって、今では自分の方がかなり甘えてしまっているからだった。

──……歳のことは気にしてなかったんだけど……でもっ、実は計佑くん、年下の方が好みだったりするのっ!?

 以前に島で聞いた時には、一番意識している女のコは自分だと答えてくれた。
けれどあの時には、アリスとは知り合っていなかった訳で……

──もしかして今、計佑くんの『彼女』に一番近いのはアリスだったりするっっ!!?

 今夜の様子からすれば、アリスも満更ではない筈で。
 計佑だって、ドキマギさせられてばかりで緊張する相手より、
安心して傍にいられる相手を、やがて好ましく思うようになるかもしれない。

──そうだよっ、私自身だって『安心できるヒト』って理由から、計佑くんのコト好きになっていったじゃない……!!

 そう気づいたら、いてもたってもいられなくなってきた。
ガバっと立ち上がると、落ち着かない様子で部屋をうろつき始める。

──……いやいや、待って待って……それも早急すぎる考え方じゃない?

 いくら初心な少年といっても、いつまでも自分に対してドギマギばかりし続ける訳ではない筈だ。
現に今日だって、初めて計佑の方からまともに触れてきてくれたじゃないか。
 経緯は違うかもしれないけれど、
過ごす時間を重ねていけば、より仲良くなれるというのはこちらだって変わらない筈で。

──……そう
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ