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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第20話 『白井家での一幕。「そう、この顔だよ……私で一杯になっている時の、計佑くんだぁ……」』
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て最後の一人は──

「……ま、いっか。さっきも似たような格好で過ごしたもんな」

 そう呟いて、あっさり納得した。

「さ、さっきも……?」

 その計佑の呟きに、雪姫が頬をヒクつかせた。

「ゆっ雪姫先輩!! 夕方、ちょっとアリスちゃんが泣いちゃって。それで計佑が慰めてたんですよ!!」
「なっ何言ってんだ!? アタシは泣いてなんかいなかったぞっ」

 まくらが何やら焦って弁解して、アリスはそのまくらの言葉に噛み付いて。
そして計佑は、雪姫に対して頭を下げた。

「すいません、先輩。オレがちょっとカッとなってアリスを叩いちゃったんです」
「なっなに言ってんだよ!! あんなのタダのデコピンだったじゃないかっ。
……それにあれはアタシが悪かったんだ。けーすけが謝ったりしないでくれよ……」

 そんなアリスたちに、雪姫はおおよその事情を理解したようだった。

「……うん、なんとなく事情はわかったよ。
三人がちゃんと納得出来てるのなら、私から言うことは特にないんだけど……」

『ないんだけど』と言いつつも、計佑とアリスの顔を何度も見比べる雪姫。
けれど、やがて諦めたようにため息をついた。

「……まあいっか……じゃあこれは私のタイミングで開けます!! めくるのも私です!! いいですねっ?」
「「はーい!!」」

 まくらとアリスが元気よく返事をして、それに対して、早くも計佑は少女たちのテンションに引き始めていた。

──や、やっぱオレ、場違いじゃねーかなぁ……?

 雪姫の写真には大いに関心はあるけれど、このシチュエーションはやはり落ち着かない。
といっても、アリスにのしかかれてしまっていては場所を移る訳にもいかない。
まあ移動できるとしても、一人でどこに行くのかという話ではあるのだが……

「キャーッ!! カワイ〜〜!!!!」
「待ってまって待って!! そっから先はダメーっ!!!!」

 雪姫の注意などキレイに忘れ去ったらしいまくらがページをめくろうとして、雪姫が慌ててそれを阻止して。
そのきゃいきゃとした空気にはやはり居心地が悪かったけれど、計佑も雪姫の写真には見入っていた。

「おい、けーすけ。私ってイトコの中じゃ一番お姉ちゃんに顔が似てるって言われるんだ。
いつか私もお姉ちゃんみたいに美人になるんだぞ?」

 アリスが頭を後ろに倒して、計佑を見上げてきた。

「……んー?  お前が先輩みたいに……?」

 確かに昔の雪姫と、アリスの顔は良く似ていた。
けれど中2になっても小さいままのアリスが、雪姫のように成長していく姿は今一つ想像できなかった。
 アリスの前髪をめくりあげて、額をさらけ出してやる。

「いや、お前はこのままでもいいんじゃないか
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