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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第20話 『白井家での一幕。「そう、この顔だよ……私で一杯になっている時の、計佑くんだぁ……」』
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だもんな」

 軽く返事をしかけて、反省した。
6歳の精神状態で一人きりなんて、どれほどのつらさだろうか。
想像しか出来ないけど、それでも胸が締め付けられた。

「ああ、いくらでもいてくれていいぞ。
……そうだっ、お礼も言わないとな。夕方、アリスを捜すときに力を貸してくれたんだろ?」
「うん、まあねー。どーせなら思いっきりケイスケを驚かせたかったから、
しばらくはカンサツするつもりだったんだけど、ケイスケ本気で困ってるみたいだったからー」
「いやホント、助かったよ。ありがとなホタル」

 クセで子供の頭を撫でる計佑に、「えへへー」とホタルが笑った。
そうして和やかな空気が流れたが、計佑は、そこでふと疑問が湧いた。

「……ちょっと待てよ? 夕方からそばにいて……
先輩の家でも声が聞こえた……お前、先輩の家でも一緒にいたんだよな?」
「うん、そーだよー」
「……もしかして……オレを突き飛ばして、身体を動かなくしたのはお前なのかっ!?」
「うん、あたりー」

 ホルタがにぱっと笑って答えてみせたが、計佑の方は笑えなかった。

「なっなんだよそれ!? なんでそんなコトした!? お陰でとんでもないコトになったじゃねーかよ!!」

 怒ってみせると、ホタルは唇を尖らせて。

「えーだってー。わたしあのうしちち女きらいなんだもーん。
ケイスケがバカなお陰で、大分凹んでたみたいだけどー。
あれでトドメさして、カンゼンにケイスケのこと嫌いにならないかなーっ、て思って」

 無邪気な顔をして、とんでもない事を言い出してきた。

「き、嫌いにさせ……? お、おまえ何を……」

 ブルブルと震える計佑を尻目に、ホタルがぶつぶつとつぶやく。

「なんだよあのムネはー。おかしいもん、あんな大きさ……
あれでケイスケのことたぶらかしたんだよね……シッパイだったなぁ。
キライにさせるどころか、なんかあの女いい気になってたもんな〜……」
「コラァァアア!? お前そんなタチ悪いイタズラしていいと思ってんのかっ!?」

 憧れの先輩への暴挙を、狙ってやらせてきたと知って、当然ながら計佑は余裕をなくす。

「えー?  そんな大したコトじゃないでしょー。今の私は、ケイスケかまくらしか触れないしー。
できるコトなんてタカがしれてるよー?」

 6歳の精神年齢になってるらしい幼女は、不思議そうに問い返してきて。

「ケイスケが今回鼻血吹かなかったのも、すぐ目を覚ませたのも、わたしがやったんだよー」

 褒めて褒めて、といった顔を浮かべてホタルがすりよってくる。
その無邪気な笑顔に、頭が痛くなってきた。放っておいたら、今度はどんなイタズラを仕掛けられるやら……

「……いいかホ
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