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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第20話 『白井家での一幕。「そう、この顔だよ……私で一杯になっている時の、計佑くんだぁ……」』
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る時の、計佑くんだぁ……

 計佑が顔をよじって逃げたそうにしたが、そんな事は絶対に許してやらない。
さらに力を込めて、計佑の顔をより深く谷間へと誘い込む。
もう少年の顔は、目から上しか見えない。それでも、爆発しそうな顔色になっていることがわかった。
少年は息が苦しいのか、強く鼻息を吹き出してきた。

「ゃんっ……だめぇ、くすぐったいよ計佑くぅん……」
 
 陶然とした笑みを浮かべて、少年の頭を優しく撫でてみせる少女。
類まれな美貌の少女が浮かべるその笑みは、格別な妖艶さを醸し出していた。

 そして、息が限界を迎えたのか、それともそんな笑みにトドメをさされたのか……とうとう少年が白目を剥いた。

「雪姫先輩ってば!! アリスちゃんだって見てるんですよっ!?」

 そう言いながら、まくらが計佑を雪姫から引き剥がして。それで、やっと雪姫が正気に戻った。

「……あ、あれ……私……?」
「お、おねえ、ちゃ、ん……?」

 アリスが、ガクガクと体を震わせて、涙目になっていた。

「雪姫先輩っ……!!」

 まくらは、気絶した計佑を羽交い絞めにしたまま、やはり涙をにじませて自分を睨みつけてきている。
……アリスやまくらにそんな顔を向けられたのは初めてで。雪姫は漸く、今の自分がやらかした事を理解した。

「──いやあああああああ!!??」

 そして雪姫の悲鳴が、白井家に響き渡った──

─────────────────────────────────

──その後、今回は何故かすぐに目を覚ます事が出来た計佑は、
真っ赤な顔でずっと俯いたままの雪姫に対して、何度も頭を下げた。
そしてまくらが、

「先輩は本当に優しいよねっ、計佑が貧血起こしちゃったと思って落ち着くまで抱きかかえてくれたんだよ?
計佑もっ、貧血だったんだから仕方なかったんだよ。
あんまり頭下げてばっかだと、かえってわざとだったっぽく見えるよ?」

 と、多少強引ながらも仲裁をしてくれたお陰で、
どうにか決定的な亀裂は生まずに帰宅することが出来たのだった。

──けれど……本当に何だったんだろう? 金縛り……にしては、最初の衝撃は……?

 自室のベッドに転がって、計佑は今日の不思議現象について思い返していた。

──そういえば……夕方にも変なコトあったんだよな……

 あの時には何故か不思議に思わなかったが、考えてみれば異常すぎる。
何故アリスの居所がわかったのか。
そしてあの時にも、最初、体に異変が起きていて……

──そういえば、頭の中がくすぐったいようなあの感覚……たしか……

 前にも似たような感覚を味わったことがあった。その時のことを思い出して。

──……えっ!? それに
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