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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第20話 『白井家での一幕。「そう、この顔だよ……私で一杯になっている時の、計佑くんだぁ……」』
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佑くんが『初めて』女のコへあげるプレゼント……

 自分にとっての "初めて" と、計佑にとっての "初めて" が噛みあう。
その『初めて』という単語は、恋する乙女にとって格別に甘美な響きだった。

──私だけが……計佑くんからのプレゼントを貰える女の子……!!

 その事実は、少女の独占欲を十二分に満たした。

──そうだよ……私だって計佑くんの特別なんだもん……!!

 アリスのように気安くは接してもらえないかもしれない。
でも、自分には自分だけの "特別" がある。そう思うと、雪姫の心は一気に軽くなった。

──ありがとう、まくらちゃん……!!

 まくらの気遣いにも感謝して。目礼する。まくらが微笑み返してくれた。
そんな風に、ふわついた気分の雪姫の耳に──

「そっ、そうだ!! アリス、お前にもなんか買ってやるよ!!」

──ビシリ。
飛び込んできた計佑の声で、雪姫の表情と心にヒビが入った。

「ほっホントか!?  何でもいいのかっ? でもなんで?」
「いや、高いもんはムリだぞ?  まあホラ、デコピンしたお詫びとか、
先輩だけにプレゼントってのも『特別』扱いで変じゃん? イトコのお前にも一緒に、ってとこだよ」

 たった今与えられたばかりの拠り所なのに、一瞬でぶち壊されて。
雪姫の心はガラガラと崩れていった。

──視界の端で、まくらが頭を抱えていた……

─────────────────────────────────

「……まくらちゃん……これ、もう任せる……まくらちゃんの判断でめくって……」
 
 ガックリと項垂れたままの雪姫が、まくらにアルバムを押し付けた。

──せ、先輩……一体どうしたんだ……?

 消沈してしまった雪姫の姿に、自分のせいなどとは夢にも思わない、恐ろしい程罪作りな少年が戸惑う。

「……ゆ、雪姫先輩……あっ、ねえ計佑、先輩も疲れちゃったみたいだし、もうお暇しよっか?」
「あっ、そっそうだな。もういい時間だし……」

 痛ましげに雪姫を見つめていたまくらが計佑を促し、計佑もそれに答えた。
アリスの体をどかして、立ち上がる。……雪姫は項垂れたまま動かない。

「あっ、雪姫先輩!!  見送りとかいいですからね!! お疲れみたいだし、私たちはこれで……」
「……うん、ごめんなさい……」

 まくらの言葉に、俯いたままの雪姫がぼそりと答えて、
アリスが「じゃーアタシが見送ってやるよっ」と立ち上がった。
そして計佑が体を翻そうとした瞬間──

「んー、なかなかいいカンジだけど、もうひと押しホしいなー」

 そんな声が、すぐ傍から聞こえた。

「えっ、誰っ!?」

 いち早くまくらが叫んで。しかし驚いたのは
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