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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第19話 『中等部からの新入部員。「いやっ!?こっ来ないで計佑くんっ!」』
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くらは心強い味方だった。だからこれは、純粋に羨む気持ちでしかなかった。
計佑の方から触れてきてくれたことは……事故とか特別な時以外ではない気がする。
手を握り返してくれたりはしたけれど、それも自分が求めたから応じてくれたようなもので。
──いつか私も……あんな風に、計佑くんに構ってもらえるようになるのかなぁ……
夢想する。
──『雪姫』と呼び捨てにされて、軽く小突かれたり。
くすぐられて、悲鳴を上げても『ダメだ、許さない。これは罰なんだからな』と上から目線でニヤリと笑まれたり──
──……いい、かも……!!
雪姫は基本的には、人に大事にされてばかりいる少女だ。
そんな自分に、滅多にされない態度で大好きな少年が接してくる様を想像して、雪姫は顔を熱くしていた。
そんな感じで、雪姫は熱い瞳で計佑たちを見つめていたのだけれど、ふとまくらが雪姫の視線に気付いて。
そのまくらが口を『あ』の形に開いて、身体を硬直させた。
「……ん? どうしたまくら?」
急に抵抗が止んだまくらを計佑が訝しんだが、その隙にまくらは慌てて計佑の腕を抜けだした。
そして計佑の背後に回ると、羽交い締めにして。
「雪姫先輩!! 手を貸してください!!」
「なっ!? お、お前何言い出して……!!」
「私一人じゃ計佑に勝てないんですー!! お願いっ雪姫先輩!! 私が抑えてる間に、コイツをくすぐりの刑にー!!」
「はぁっ!?」
ギクリとした様子の計佑が、声を裏返らせた。
「ふっふっふ、計佑……くすぐりに弱いのはお互い様だったよね?」
「おまっふざけんな!! クソっ本気で……!!」
ニヤリとするまくらに、いよいよ計佑が焦りだし、本気でまくらを振りほどこうとし始めたようだが、
まくらは両足を計佑の腰に絡めて、おんぶ状態になってしまった。
計佑がふらつく。
「ひっ卑怯だぞ、テメー!!」
ああなってしまっては、乱暴に振りほどけないのだろう──まくらにケガをさせてしまう可能性があるから。
「ふんっ……昨日のお返しだよ!!」
まくらが、計佑の背後から雪姫を見やる。
「さあっ雪姫先輩!! 思う存分やっちゃってくださいっ」
そこで、まくらの意図を雪姫は理解した。
自分の嫉妬を見抜いて──まくらが心配するような、暗い気持ちではなかったけれど──計佑に触れる機会を作ってくれているのだと。
──……ありがとう、まくらちゃん……!!
当然、雪姫はその好意に甘えることにした。
「それじゃ……お言葉に甘えて……」
立ち上がってゆっくりと歩み寄る雪姫に、計佑がビクリとする。
「ちょっ、せっ先輩!? まっ待ってください……!!」
計佑が怯え
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