暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第19話 『中等部からの新入部員。「いやっ!?こっ来ないで計佑くんっ!」』
[15/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
くれていいぞ……」

 ウインクしてみせるまくらに、アリスがもじもじしながらそんな事を言った。

「え? アリス? なんで?」
「黒井エリスってのは偽名だってよ。ホントは綿貫アリスっていうそうだ」

 計佑が答えて、アリスの頭にポンと手を乗せた。それにまくらが、『えっ』という顔つきになった。

「ん?  やっぱり偽名の理由とか気になるか?  でもそれも秘密っていうんだよ、アリスのやつ」

 言いながら、アリスの髪をくるくると弄ぶ。なのにアリスはじっと受け入れていて。
そんな二人の姿に、まくらがジトリとした目付きになった。

「……なんか……あっという間に仲良くなってない?」
「え? そうか?」
「…………」

 きょとんと返す計佑に、無言で俯くアリス──その顔は赤い。
それにまくらが、ハァ〜と大きくため息をついた。

「……いい加減にしてよ計佑〜……これ以上面倒な事態を作らないで〜……」
「……何の話だ?」

──頭を抱えるまくらの言葉の意味は、この少年には分かる筈もなかった。

─────────────────────────────────

 結局、計佑とまくらの二人でアリスを家まで送ることにして。
 その道中に色々話して、アリスの誤解を解いていった。
そしてようやくしっかりと理解してくれたらしいアリスが、拍子抜けしたような声を出した。

「なんだ……お前たち二人とも、ホントにただの家族みたいなもんだったんだな……」
「最初にそう言ったろうに……ていうか、落ち着いて見りゃ間違えようがなかったハズだぞ」

 ポンポンと、ありすの頭の上で手をバウンドさせる計佑。

「……おいけーすけ。人の頭をボールにするのは流石に失礼だろ……」

 アリスがじろりと睨むも、

「あ、悪い。なんかオマエの頭触ると気持ちよくてなー。キレイな髪してるもんな」
「バっ……!! なんなんだよっ、オマエはも〜!!」

 あっという間に赤い顔で俯いてしまう。
 まくらは二人の少し後ろをついてきていたのだが、そんなやり取りに苦い顔で呟く。

「……まずいよ〜……計佑が子供相手だとここまで強くなるなんて〜……どんなにちっちゃく見えたって、二つしか歳違わないのにぃ〜……」

 そんなまくらの嘆きなど聞こえていない計佑とアリスは、
家に着くまでイチャつき(傍目にはそうとしか見えない)を続けるのだった。

─────────────────────────────────

「送ってくれてありがとうな」
「……おっおう……」
「……いっ、いいんだよそんなの……」

 アリスの礼に、引きつった言葉しか返せない二人。
 三人の目前には、『ザ・豪邸』といった建物があった。

「ア
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ