暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第19話 『中等部からの新入部員。「いやっ!?こっ来ないで計佑くんっ!」』
[12/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
走った。

「……?  なんだこれ……?」

 足が勝手に動く……というと少し違うが、なんだか止まっていられない。
軽く引っ張られるような感じで、どんどん身体が動いていく。

──……なんか……この先に黒井がいる……?

 頭の中に、なんだかくすぐったさを感じる。
いつかこれと似たような感覚を味わったような気もしたが、深くは考えなかった。
今はただ、直感からやがて確信に変わっていったその感覚のままに、走り出していた。

─────────────────────────────────

──いた……!!

 しばらく走って。やがてたどり着いた川辺にエリスはいた。
座り込んで、足をプラプラさせながら川を眺めている。

──やれやれ……

 超常的なカンで見つけたにも関わらず、計佑はそれを不思議に思わなかった。
それよりも、どう声をかけたものかと頭を悩ませる。
普通に声をかけても、また逃げ出すだろう。
まあこの位置関係なら、もう取り逃がすことはないだろうけれど、余計な手間をかけたくない。

「…………」

 そっと近づいた。
けれど無言で捕まえてしまうと、
いつぞやのように──雪姫の脇をつかんでしまった時の──失敗しかねないと考えて、一応声をかける。

「捕まえたぞ」

 ビクっと振り返ってくる瞬間に、背中から覆いかぶさるようにしてエリスを胸に抱え込んだ。
腰も下ろして、太ももの間にエリスの腰を挟んで。これで完全に捕まえた。
 エリスがジタバタと暴れて、

「なっなんだよ!! 放せよヘンタイ!! 大声出すぞっ」
「いいぜ別に。人目が集まって恥ずかしいのは、多分お前のほうだからな」

 子供には、とことん強気の計佑だった。
それに、この少女が実はかなり恥ずかしがり屋なのも読めていたので、
変に人目を集めたくないだろうとタカをくくってもいた。

「……っ……」

 案の定、大声など出さないエリス。
一応自信はあったが、読みが当たった事に、内心ホッとため息をつく。
 そしてまくら宛てに、エリス発見のメールを打ちはじめた。

「……なにしにきたんだよ」

 エリスが唇を尖らせる。

「お前を捕まえにきたんだよ。子供を夜道に放り出すワケにいかないだろ」
「子供扱いすんなっ!!」

 またエリスが暴れようとするが、その頭に顎を乗せて。

「子供だよ。でなきゃ、あんなヒドい事言ったら、普通許してもらえないからな」

 その言葉にエリスの身体がピクリと震えて。少しまごつく様子を見せたが、やがて口を開いた。

「……アタシ……そんなにヒドいコト言ったのか……?」
「……そーだなぁ……」

 どう説明してやるか、しばし考えて。

「……お前、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ