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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第18話 『雪姫、まくらと初遭遇。「計佑くんは、私のコトなんか好きじゃないからそんな風に言えちゃうんだ……!」』
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したり──そして今、
無事スパイクを買えたまくらは、店を出た先からもう箱を開いて、中身を確認したりしている。

「お前……随分部活頑張ってるみたいだけど。体調はホントに大丈夫か?」

 結局、一週間くらいは寝たきりだったのだ。
原因は病気ではなく、"呪い" というファンタジーなものだったけれど、
寝たきりだった身体はそれなりに鈍っている筈だ。
いきなりハードな運動には、ちょっと不安があったのだけれど。

「えー? だいじょぶだいじょぶ!! ていうか、前より調子いいくらいなんだよー!!
今、サイコーにソフトが楽しいとこなんだ!!」

 満面の笑みで、力こぶなど見せつけてくる姿に、苦笑がもれる。

「だったらいいんだけどな……けどまあ、オレの方は正直ちょっと腑抜けたトコがあるんだよな。
しばらくお前を起こすコトばっか目標にしてて、それがいきなり消えちゃったもんだからなのか……なんかちょっとなー」

 空笑いまでしてしまう。

「……オレも、なんか部活でもやった方がいいのかなぁ……それともバイトとか……
妹分が頑張ってんのに、兄貴が何もしてないってのもなんか気になってきたな……」
「…………」

 そんな呟きを聞いていたまくらが、急に計佑の腕を引っ張ってきた。

「ねえっ計佑!! ちょっとそこのゲーセン寄ってこ!! 今日はアタシが奢っちゃるから!!」
「はぁ!? ちょっちょっと待てよ、お前スパイク買ったりで金ねーだろーに!?」
「いーからいーから!!」

 結局引っ張られていってしまう計佑。
 まくらに連れ回されるままに、対戦ゲームをやったり、ダンスゲームに興じたり、UFOキャッチャーではしゃいだり……

「あーっ!! プリクラも撮ろーよっ!! 退院記念退院記念!!」
「プップリクラだとぉ!? それはちょっと……!!」

 それでも結局抗いきれない。撮った写真を、まくらが楽しそうにデコり始める。

──あー……この流れは、コイツまたオレに気ィ使ってんだよな…

 さっきグチを零してしまったせいだろう。
妙にハイテンションなのも、きっとそれもあってのことで……

「……あのな、まくら。別にオレそこまで──」
「計佑はさ、何もしてないなんてコトないじゃん」
「え?」
「気分屋で手のかかる妹分の面倒みて。家事も結構やって、勉強もマジメにやって成績優秀──」
「いや、勉強はお前がダメすぎなだけな?」
「…………」

 まくらが膨れてしまった。

「……や、悪い……つい……」

 せっかくフォローしてくれていたのに無粋な茶々を入れてしまった事を詫びると、まくらが空咳をついて。

「……まあともかく。
計佑がなんだかんだで頑張り屋なのは、ずっと一緒
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