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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第18話 『雪姫、まくらと初遭遇。「計佑くんは、私のコトなんか好きじゃないからそんな風に言えちゃうんだ……!」』
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姫には十二分な言葉だった。
スキップのような軽やかさで、計佑の方へと歩き出す。

「──えっ?  どっどうしました先輩?
……あっ、別に先輩の悩みを軽く扱ったつもりはないんですよ!?
ただ、オレにはどうしてもピンとこなかったもんだから、つい……!!」

 何やら勘違いしたらしい計佑が慌てて弁解してくるけれど。
雪姫の心中は、計佑の想像とは全くの正反対で──

「ねえ計佑くん。最後の言葉は、家族と恋人は全然別物で、だから私が悩む必要なんてないってコトだと思うんだけど……それはつまり、計佑くんは私の事を恋人だって思ってくれてるってコトなのかなぁ?」

 計佑の目の前で足を止めると、ニッコリして言葉を投げた。

「うえ゛!? いっいや、そんなつもりじゃなくて! 一般論のつもりで言ったんですけど!!」

 目論見通り、アワアワし始める少年の姿に、笑いがこみ上げてくる。
手を後ろで組んで、前かがみになって下から少年の顔を覗きこんでみた。
──おなじみのニンマリとした笑顔で。

「そういえば、妹さんの問題が片付いたら私の告白のコトを考えてくれるって話だったと思うんだけど……
それはどうなってるのカナ?」
「あっ!? いっいやっその〜〜〜……すいません。島で言った通り、やっぱりまだ答えは出せそうにないです……」

 そしてうなだれる計佑の姿に、プっと吹き出して。雪姫はすっかりご機嫌になっていた。

──我ながら単純だなぁ……ホントに。

 さっきまで真夜中な心中だった癖に、計佑の言葉ですぐ快晴になる変わり身の速さに、内心苦笑する。

──でもしょうがないよね……王子様の言葉に振り回されちゃうのは、女のコのサガみたいな物だもん。

 そう言い訳して。そして、ご機嫌な気分のままに少年を弄る。

「ふふ〜んだ。偉そうに先輩に説教たれてたクセに、自分のそのお子様ぶりはどうなのかな〜?」

 前かがみの体勢から姿勢を戻すと、うなだれる少年の頭にポンポンと触れて。

「か、勘弁してください……」

 計佑の弱り切った謝罪に、雪姫はコロコロと笑ってみせるのだった。

─────────────────────────────────

 その日の夕方近く。
計佑は、まくらと一緒にスポーツ店へと寄っていた。

「計佑っ、ありがとね〜付き合ってくれて。助かったよー」

 昼、雪姫と別れた後、帰宅しようとした計佑にまくらから連絡があって、

『スパイクがダメになっちゃったんだよ〜!! 今日の帰り、買わなきゃだから付き合って!!』

 そう泣きつかれたのだった。
 まくらの部活が終わるまでの時間潰しに、夏期課題を図書室でやって
──硝子も図書室で勉強をしていたので、二人で軽く談笑
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