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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第18話 『雪姫、まくらと初遭遇。「計佑くんは、私のコトなんか好きじゃないからそんな風に言えちゃうんだ……!」』
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 まさかの答えに、大声が出てしまって。
……しばらくぽかんとしてしまってから。正直な感想を口にした。

「先輩って……時々、ホント変なコト気にしますよね」

─────────────────────────────────

「へ……変なコトって!!」

 計佑の言葉に、雪姫はカッとなった。
 計佑の声には、僅かながらも『なんでそんなバカなことを……』みたいな、呆れの成分が混じっていて。
少なくとも、自分はこの数日ずっと気にしていた事を、そんな風に切り捨てられて、

──計佑くんは、私のコトなんか好きじゃないからそんな風に言えちゃうんだ……!!

 そう思ったら、じわりと涙まで滲んできた。慌てて、ぐっと堪える。

──ここで泣いたら、もっと呆れられちゃう……!!

 優しい少年だから、慰めてはくれるかもしれない。
 でも今の自分の悩みがまるで解っていない少年なら、ここで泣き出す相手になんて、更に呆れる可能性もある。
そんな風に考え、くっと唇を噛んで俯く雪姫に、計佑がまた話しかけてきた。

「だってそうでしょ? "知り合ってからただ経過した時間" だったら、そりゃあ逆転するコトはないけど、
"知り合ってから一緒に過ごした時間" だったら、逆転するコトはありえますよね?」
「……あ……」

 その通りだった。言われてみれば全く当たり前の事で。
なんでこんな事にも自分は気付かなかったのか……俯いた顔が、自然と持ち上がっていた。

「それに過ごした時間の量って、そんな絶対なもんですかね……?
オレがこないだ先輩と知り合ってからの時間は……まあまくらが倒れて色々あったせいもあるけど、今までの人生の中で一番濃密な時間でしたよ」

──それは……私も同じ……

軽くなり始めた雪姫の心に、計佑の言葉が更に届く。

「例えば、たった数日でこんなに親しくなれた相手なんてオレは先輩しかいないんですけど……
優劣つけるもんじゃないとは思うけど、15年過ごした相手に、数日で追いついてくるっていう方がよっぽど凄くないですか?」
「……そ……それは……」

 少年の、本気で不思議そうな疑問の声に。その内容に、雪姫の心がぐんぐんと上向いていく。

──確かに……そんな短時間でここまで仲良くなれる人なんて……それこそ運命って言えるのかも……

 恋する乙女が、乙女回路全開の思考を始めて。

「第一、家族だけがずっと特別とかいってたら……一生、家族以外に恋人とか新しい家族とかも出来ない理屈になっちゃいますよ?
……やっぱり、何で先輩がそんなコト気にしだしたのかよくわかんないんですけど……」

 それは、色恋にはとことん鈍い少年だから言えた理屈だったかもしれない。
──けれど、雪
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