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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第18話 『雪姫、まくらと初遭遇。「計佑くんは、私のコトなんか好きじゃないからそんな風に言えちゃうんだ……!」』
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なんだか泣き出しそうな感じになってきたので、慌てて頭を下げた。
やはり、雪姫には真相を全て話すというのは無理そうだった。

──けど……そうすると、もう話せるコトって特にないんだよな……

 雪姫となら、話してみたい事はいくらでもある。
でも元気がない雪姫に無理はさせられないし、となると本来の目的のまくらの話がもうない今、どうしたものか……

「計佑くん……まくらさんのコトなんだけど……」
「あっはいっ、なんですかっ!?」

 やっと、雪姫の方から話しかけてきてくれた。ホッとして、上ずった声で返事をしてしまう。

「……島で……計佑くんの一番の女のコを何人か聞いたことあったでしょう?」
「……え、ああ……はい、ありましたね。三種類くらいでしたっけ……」

 計佑にとっては特に深い意味を感じなかったので、
それぞれはもうよく覚えてなかったが、『全部先輩』だと答えたことは覚えていた。

「……じゃああの時の質問に追加で……今、計佑くんと一番仲のいい女のコって誰になるかな……?」
「……それは……まくらになるでしょうね、一応」

──女って思うコト基本ないんだけど……まあ血は繋がってないし、一応そうなるだろうなぁ……

 そう考えて答えたのだけれど。

「……そっかぁ……やっぱりそうだよね……」

 なんだか、雪姫の声から更に元気が失われたような……

「まくらさんとの付き合いは……どれくらいになるの?」
「えっと……よく覚えてないけど、一応生まれた頃からの付き合いですね……
本格的にウチにいつくようになったのは、幼稚園くらいからですけど」
「……そっかぁ……やっぱり10年以上かぁ……」

 計佑としては、雪姫が何を気にしてるのか一向にわからない。

「あの、それがどうかしました?」
「…………」
 
 雪姫がまた沈黙状態になってしまった。

「…………」
「…………」

 しばらく待ってみたが、やっぱり雪姫は口を開かない。それでも我慢強く待ってみる。やがて──

「……あのね、私と計佑くんがちゃんと知り合って……まだ10日ぐらいしか経ってないよね?」
「あ、はい、そうですね……」

 ようやく、また口を開いてくれた雪姫に肯定の返事をして。

「でも幼なじみさんとは、もう10年以上経っていて……そしてこの先どれだけ経っても、
私の方が長くなるコトはないんだな、って思ったら……なんか寂しくなっちゃったんだよね……」
「……へ……?」

 間抜けな声が出てしまった。

「……あの……まさか、先輩が元気ないのって、それが理由ってワケじゃないですよね?」

 流石にないとは思ったが、一応尋ねてみた。

「……そのまさかだけど……」
「……ええぇ!?
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