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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第18話 『雪姫、まくらと初遭遇。「計佑くんは、私のコトなんか好きじゃないからそんな風に言えちゃうんだ……!」』
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だった。
──あ……もしかして……
さっきは、向こうを向いて倒れていたので顔はよく見えなかったのだが、
多分計佑の幼なじみ──音巻まくらだろうことは察せられた。案の定、
「……はじめまして、白井先輩。
計佑から聞いてるかもしれないけど、私は音巻まくらっていいます」
挨拶しながら少女──まくらが降りてくる。
まくらは踊り場まで降りてくると、ペコリと頭を下げてきた。
「まずは、色々ありがとうございました!!
私が寝込んでる間、なんか随分と手を貸してくださったみたいで……」
まくらが、そう礼を言ってくる。
「えっ!? うっううん、そんな大したことしたワケじゃないし……いいから頭を上げてっ?」
雪姫が慌てると、まくらはぴょこんと頭を上げた。
「えへへ……ありがとうございますっ!!」
まくらはニコニコとした笑顔を浮かべていた。
──……すごく……カワイイ女のコだ……
自分のような仮面の笑顔じゃない……心の底から笑ってるだろう顔で見つめられて。
雪姫の心は沈み始める。それでも、表面上は雪姫も笑顔を浮かべてみせた。
「えっと……それで音巻さん? 私に何か……」
「あっ、よかったら私のコトはまくらって呼んでくださいっ」
ビッと片手を上げながらそんな風に言ってくるまくらに、
「そ、そう……? うん、わかった……まくら、ちゃん?」
恐る恐る呼びかけると、
「はいっ!! ……私は、雪姫先輩、って呼んでもいいですか?」
ノータイムで返事をされた後、上目遣いでそんなコトを聞かれて。
「う、うん……いいよ、まくらちゃん」
「やったーっ!! 憧れの先輩と、もう名前で呼び合う仲っ!!」
両手を突き上げて飛び跳ねる少女に、雪姫は内心ちょっと引いてしまっていた。
──す、すごい元気なコ……ホントに私とは正反対だ……
人見知りで、いつも他人には心の壁を築いている自分。
親友にすら、悩みを話すことは出来ないでいるような自分と比べて、彼女のこの人懐っこさはどうだろう……
そんな風に、いよいよ雪姫の心は沈みきっていって。仮面の笑顔もはがれそうだった。
「あっ!! 肝心なコト忘れるところだった」
そう言って、まくらはテヘっと笑ってみせると、
「雪姫先輩っ!! 先輩も天文部に入ってくれませんか?」
計佑同様、雪姫を勧誘してきた。
けれど、雪姫の今の心中は、それにイエスと言えるようなものではなく──しかし本音を言える筈もないので、
「……う〜ん……文化部といっても、三年が今から部活っていうのはやっぱり……ね?」
そんな当たり障りのない理由で、やんわりと断ってみる。
「いえっ、計佑も
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