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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第18話 『雪姫、まくらと初遭遇。「計佑くんは、私のコトなんか好きじゃないからそんな風に言えちゃうんだ……!」』
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、そうやって誰彼かまわず女のコ誘ってればいいんだよ」

 そう言い捨て、雪姫は足早に去っていく。

──え……何? なんか最後急に態度が……?

 雪姫の最後の言動がわからず、ぽかんとしてしまう計佑。
そんな少年の背中をパンっとたたく者がいた。まくらだった。

「バカっ計佑!! 何やってんの!? 先輩ヤキモチやいちゃったんだよ!!」
「え? ……ヤキモチ?」

 なんでそんなモノ? ていうか、何でここで餅を焼く話になるの? ──とでも考えてそうな少年の顔に、まくらがイラっとした顔つきになった。

「〜〜〜!! ホントにこういうのじゃバカなんだから!!  このヘタレ鈍感!!  もういいっ、私が誤解といてくる!」

 タッとまくらが走りだして。
ヘタレ鈍感少年は、ポカーンと立ち尽くしていた。

─────────────────────────────────

 雪姫は半ば逃げるように──いや、本当は逃げるためだけに。早足に部室棟から離れていた。

──最後までは……普通にしていられなかったよ……

 胸がズキズキする。
 部室のドアを開いた瞬間に見た光景は──ショックだった。
本当に一瞬、心臓が止まった気がした。
 計佑と今一番親しい女のコ……それが幼なじみのコである事は、分かっていたつもりだった。
でも、想像のずっと上をいく親しさを見せつけられて……雪姫の胸は激しく軋んだ。

──私には……絶対あんなコトはしてくれない……

 計佑がウソをついていたとは思わない。
でも少年の言葉どおりなら、じゃれ合いが『ちょっと』エスカレートした結果、
馬乗りになって、くすぐり続ける──さっきの女の子の状態からして、短い時間ではなかったろう──
そんなのが当たり前な関係。
──とても、平気ではいられなかった。
とっさに仮面をかぶったけれど、無邪気に計佑がこちらを勧誘など始めてしまった時……抑えきれなくなってしまった。

──そんなに、仲のいい自分達を……私に見せつけたいっていうの?

 もちろん、計佑にそんな意図がないのはわかっている。
あの奥手な少年があんな事を出来るというのは、きっと家族同然の気安さ故ということもわかる。
 それでも……

──……私……こんなに嫉妬深かったのかな……

 なにせ初めての恋で。
嫉妬なんていう物も、数日前に知ったばかりだった。

「……はぁ……」

 踊り場で、足が止まった。

──いけないいけない。あんな別れ方じゃあ、計佑くん気を悪くしたままになっちゃう……

 メールを打とうと、携帯を取り出して──

「白井先輩っ」
 
 後ろから声をかけられて、ビクリと振り仰ぐ。
 階段の上に立っていたのは、活発そうな女のコ
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