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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第17話 『ホタルから見たこの世界。妬心の目覚め「どうして私、胸が痛いのかな……」』
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んだけど、悪いコトがあったとかそういうことじゃないみたいだよ。
計佑くん、すっごい笑顔だったでしょ?」
まくらが目覚めたというのなら、もう硝子達にも隠し通す必要はないのかもしれないけれど、
自分の口から話すような事でもないと、一応雪姫は口を噤んだ。
「……確かに……随分と嬉しそうな様子でしたね」
硝子も先ほどの計佑の顔を思い出したのか、軽く笑みを浮かべた。雪姫もまた微笑うと、
「あんなに嬉しそうな計佑くん、初めて見たかも……」
そう呟いた。その呟きをきいた硝子が、ピクリと身体を震わせる。
「……そうですか? 私は何度か見たことある気がします……」
「あ、そうなんだ? ……そっか、硝子ちゃんはもう4ヶ月近く計佑くんと同じクラスだもんね」
硝子の言葉に、最初、雪姫は特別な事は思わなかった。けれど、自分が言った言葉で気付いた。
──ああそっか……私が計佑くんと過ごした時間は、まだ10日もないんだ……
計佑と過ごした時間はとても濃密だったから、気にしたことはなかったのだけど……今の硝子の言葉で、気づいてしまった。
そして、今しがた満面の笑みを浮かべて少年が帰っていった先には、多分十年くらいの時間を一緒に過ごした女のコが待っていて。
……その事に思いが及んだ時、
ズキン……
胸に、痛みが走った。
──……え……なに……? 今の痛み……
雪姫には、今走った痛みの理由がわからなかった。
──眠り続けてた、妹同然のコが目を覚ましたんだよ? 凄く嬉しそうなのは、当たり前じゃない……
理屈ではそう分かっているのに、心がザワつく。
──10年一緒っていっても、妹さんみたいなものなんだよ? 計佑くんが、はっきりそう言ったのに……
なのに、不安がじわりと広がって。
──……なんで? なんで私、胸が痛くて……不安になるの……?
いつしか、雪姫は俯いてしまっていた。
……そんな雪姫を、硝子が暗い瞳で。唇を噛み締めて、見つめていた──
─────────────────────────────────
<17話のあとがき>
という訳で、この小説の世界は原作にリンクしたパラレルワールド的なもの、とさせていただきました。
ここは原作の次の世界って感じですかね。
といってもそれはホタルの感覚であって、実際にはどっちが先も後もないのかもですけど。
ホタルとの会話で、
「いくつかの世界をみてきたが、気が多いなお前は。硝子にアリスに……」
という、いかにもギャルゲなものも考えましたが、結局なしにして。
『計佑の相手は、先輩かまくらのみっ。この二人以外にケイスケが惚れる事はないっ』
というイメージにしました
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