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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第17話 『ホタルから見たこの世界。妬心の目覚め「どうして私、胸が痛いのかな……」』
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いくつか残して、突然消えた。

「お……!? 消えた……流石は本物ってところか……」

 感心して、思わず独り言が口をついてしまう。

♪〜♪♪〜♪〜……

 そこで、計佑のケータイの着メロが鳴った。

「あ、いけねっ……ケータイ落としたままだった」

 拾い上げて、相手を確認する。母からだった。

──おふくろ……? っ、そうかっ!!

 内容を予感して、慌てて電話に出る。果たしてその内容は──

─────────────────────────────────

「──あれ? どうした計佑」

 計佑が息せき切って温泉まで駆け戻ってくると、まだ茂武市が一人で時間を潰していた。

「茂武市っすまん!! 屋敷に置いてるオレの荷物は、お前が持って帰ってきてくれないかっ!? 頼む!!」
「おっおお? なんだよどういうコトだ? 持って帰るってどこに──」
「詳しくは後でメールすっから!!」

 戸惑う茂武市を置き去りにして、屋内へ駆け込む。 
 乾燥機からシャツを回収して、コインロッカーからも荷物を取り出したところで、

「……計佑くん? なんか慌ててるみたいだけど、どうしたの?」

 温泉から上がってきたらしい雪姫に話しかけられた。

──ちょうどよかった!! お世話になった先輩には、最低限の挨拶くらいしておきたかったもんな!!

「先輩すいません!! 急ですけど、オレっすぐに家に戻らないといけなくなって──!!」
「えっ、なんで!? どうして、そんな慌てて……」

 雪姫が驚いて聞いてくるが、硝子もこちらへ歩いてくるのが見えた。
 声を落として、雪姫の耳元に囁く。

「まくらが──例のヤツが、目覚めたって連絡があったんです」
「……ホントに!? よかったじゃない!!」

 目を丸くする雪姫に、コクリと頷いて。

「それじゃそういう事なんで、すいませんけど!!  詳しい話は、また今度しますから!!」

 満面の笑みを浮かべて、計佑はまた駆け出した。

─────────────────────────────────

「気をつけてねーっ!!」
「はーい!!」

 ブンブンと大きく手を振りながら、もう一度だけこちらを振り返ってから駆け去っていく計佑を、雪姫は笑顔で見送った。

「ふふっ……すっごい笑顔……」

 初めて見る計佑の表情に、雪姫は軽く笑ってしまっていた。

「……先輩?  目覚くんどうしたんですか?」
「あ、硝子ちゃん……うん、お家のほうで急用が出来たみたいで、もう帰らなきゃいけなくなったみたいなの」
「え!?  急用って何かあったんですか?」
 
 硝子が慌てた顔をするが、

「あっ、ううん、詳しくは聞いてない
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