暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第17話 『ホタルから見たこの世界。妬心の目覚め「どうして私、胸が痛いのかな……」』
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 ホタルは、そんな計佑を特に気にする事もなく答える。

「うん……ちょっと榮治さんを捜すのが手詰まりに……ああ、榮治さんというのは私の恋人だった人だよ。
もう生まれ変わって、別人だったりするのかもしれないけど、どうしても諦めきれなくてね。
今も探し続けているのだけど……ともかく、前の世界では捜索が行き詰ってしまって。
呪いが半分解けたお陰か、こうして世界を飛び越える事が出来るようになったこともあって、他の世界を覗きにきたということなんだよ」
「……そうなのか……」

 数十年も、恋人だった人の魂を探し続ける……その想いの深さに打たれて、少年には何も言えなかった。
 未だ恋愛感情もろくに理解できない自分に、何かをいう資格はないとも思った。

「そして、なぜ『この時間』に跳んできたかというとだね……
『呪いが解けた瞬間』にもう一度立ち会えば、完全に呪いが解けるんじゃないかという期待があったからだよ」
 
 その説明は、計佑にはよくわからなかった。

「"この時間" ……? タイミングを狙ってここに来たってことなのか?
なんで『解けた瞬間』に立ち会えば、完全に呪いが解けると思ったんだ……?」
「うん……実は私がいた世界では、今より1時間くらい後に、お前とまくらは二人で呪いを解いたんだよ。
そのお陰で、私の呪いも半分解けた訳なんだが」

 その答えに、計佑はまた別の疑問が湧いた。

「え?  昼間なのに、オレとまくらで呪いを解いたっていうのか?」
「ああ、そうだよ」
 
 ホタルが即答するが、イマイチ腑に落ちなかった。

──さっきのまくらの話では、昼間にやるのは絶対ムリって事だってたのに……その辺りも、平行世界とやらの違いのせいなのか?

 どちらにせよ、もう呪いが解けた今、あまり気にすることでもないだろう。
深く考えることはやめて、またホタルとの話を続けることにした。

「で?  なんでその時間に立ち会えば残りの呪いも解けるって考えたんだ?」
「簡単なことだよ。その時のお前たち二人の行動の結果……その行動については聞くなよ? 話す気はないからな……
ともかく、それによって呪いが半分解けた。じゃあもういちどその時間を体験すれば、またもう半分が解けるんじゃないか? そう期待したんだよ」
「……んん……?  分かるような解らないような……」

 今一つ理解できていない計佑を無視して、ホタルは話を続ける。

「しかしまあ、先に話した通り。
『ここにいた私』が『今の私』に上書きされるように消えたことで、
『ここにいた私』から派生していたまくらの呪いも無効化されて。
私の期待したような展開にはならなかったということだよ」
「はー……?」

 やっ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ