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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第17話 『ホタルから見たこの世界。妬心の目覚め「どうして私、胸が痛いのかな……」』
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ってきた時のこと。
──10年くらい前、一時の間、まくらと一緒に遊び回ったこと。
──その時の彼女は、自分たちと同じ年くらいの、子供の姿をしていたこと……

「え……美月芳夏って……あの時のコだったのか!?」

 計佑が思い出せないのも無理はなかった。
 計佑は写真の美月芳夏像で記憶を検索していた訳で、まさか幽霊が子供の姿になったりしていたとは想像できなかったのだ。

「ん、思い出してくれたようだね。……まあ、私が掘り起こしてやったんだから当たり前なんだけれど」

 ふわりとホタルが微笑む。

「ホタル……」

 思わぬ再会に感慨を覚えて何も言えなくなった計佑に、ホタルが問いかけてくる。

「どうだい?  完治とまではいかなくても、それに近いくらいにまでは治ってると思うんだが」

 言われて、身体の熱さのことを思い出した。
慌てて、あちこちを確認してみる。──確かに、もう殆ど痛みもなかった。

「なっ……なんだこれ!?  どうやったんだ!?  幽霊ってそんなコトもできるのか」
「誰にでも、という訳ではないけれどね。
お前とまくらは私と縁が深いから……あとは、お前たちのおかげで呪いが半分解けたおかげでもあるね」

 ビクッ、と計佑の身体が震える。
『呪い』という単語に、まくらの事を思い出したからだ。勢いこんで、ホタルに尋ねる。

「そうだっまくらは!? 大丈夫って……呪いが半分ってどういうことなんだ!?」

 詰め寄る計佑にホタルは微笑んで、

「まあ結論から言うと、まくらの呪いは完全に消えている。
今、私にはまくらとの繋がりを感じられない。
これはつまり、私とまくらとの呪いの共有がないということだからね」

 そんな風に説明してきた。

「じゃっ……じゃあ、まくらはもう元の身体に……?」
「うん。直に目を覚ますだろうよ」

 その言葉に、計佑は心底安心して。

「はぁ〜〜〜〜〜……っ!! よかった……本当によかった……!!」

 大きなため息をついて、椅子へと座り込んだ。
 そんな少年の姿を目を細めて眺めていたホタルだったが、やがてきょろきょろと辺りを見回して。軽くため息をついた。

「しかし……アテが外れたね。上手くいけば、これで呪いが完全に解けるかも……と思ったんだがね……」

 半ば独り言のようだったが、計佑にとっても気になる部分があったので、ホタルに尋ねる。

「完全に呪いが解ける……ってどういうことだ? 呪いがまだ残っているんなら、なんでまくらは開放されたんだ?」
「ん……そうだね、上手く説明できるかね……」

 計佑の問いに、ホタルはちょっと難しい顔をしたが、やがて説明を始める。

「まずは一言で言うとだね……『まくらに
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