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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第17話 『ホタルから見たこの世界。妬心の目覚め「どうして私、胸が痛いのかな……」』
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っと口を開くと、

「もちろん説明してやる気はあるんだが……その前に、ちょっとお前の頭に触れてもいいか?」

 そんな事をきいてきた。

「……え? ……な、なんでそんなコトを……」

 まくらとは違う、本物の亡霊。
 それも、まくらが望んだとはいえ"呪い"をかけるような相手との接触など頷ける訳もなく。
計佑は一歩下がってしまう。 
 計佑のそんな反応に芳佳は、

「『ここ』のお前も、やっぱり私のコトを忘れているのか……昔は楽しく遊んだ相手に、そんな態度をとられるのは傷つくんだがな……」

 そう言って、少し寂しげに笑った。
──その表情を見て、計佑の中からすぅっと警戒心が薄れていく。
 
 子供の頃に会ったことがある──それはまくらからも聞かされていた事だった。
こうして話していても、無闇矢鱈と悪意を振りまくような悪霊には見えない。
 そして今、芳佳が見せた寂しげな微笑に……どこか見覚えがあるような気がして。

「……すいません、変な態度とったりして……」

 そう言って、芳佳との距離を詰めた。
 それでも疑問は疑問なので、頭を差し出す前にやはり尋ねることにした。

「……でも、何のためにそんなことを?」
「お前の記憶をちょっと見せてもらいたいんだよ。
私は『ここ』に来たばかりで、前の世界との違いをまだ把握していないからね……」
「……はぁ……?」

 芳佳の答えは、前半部分はともかく、後半はさっぱりわからなかった。
 計佑の不審そうな顔からも心中を察したのだろう、芳佳は苦笑を浮かべて言う。

「まあ、指先でちょいと触れるだけのコトだから痛みとかはないよ。
多少くすぐったいかもしれんが、本当にすぐ済む……構わないか?」
「……はあ……」

 イマイチ腑に落ちないが、素直に頭を差し出した。

「ついでに、私のコトも思い出させてやるからね。前回もやったことだから、これは本当に簡単なことだよ」

 そんな芳佳の言葉の意味は相変わらずよくわからなかったが、彼女の指先が計佑の額に触れると──

──……んん?  なんだこれ!? な、なんか頭の中がくすぐったいような……?

 不快とか耐えられないほどではないが、不思議な感触に思わず身じろぎしてしまう。

「ああ、もうちょっとだから我慢しておくれ……今は、お前の傷も治しているところなんだから」
「えっ?  傷を治すって一体──」

 また不思議な発言をされて、思わず質問が口をついたが最後までは続かなかった。

──なんだこれ!?  なんか身体が熱く──!!

 急に熱くなりだした身体に戸惑いを覚えたところで、芳佳の指が離れた。──その瞬間、思い出した。

──目の前の少女……美月芳夏がホタルと名乗
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