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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第16話 『温泉へ。まくらが語る呪いの真相。「目覚くんは無理だと思いますよ」』
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……罪作りな少年は、本気でそう訂正してみせる。
しかし硝子は目付きを変えないまま、はぁっとため息をついてみせる。

「人の吐瀉物をさらりと片付けてみせるような筋金入りのクセに……本当に自覚ないんだからタチ悪いよね目覚くんは。
……これじゃあ騙されちゃうのも仕方ないんだけど……」
「…………」

 あまりの言われように、計佑はもう黙りこむだけだった。
──今のセリフの最後の部分は、雪姫の事だけでなく硝子自身の事も含めて言っているのにも気付かないまま。

──♪♪♪〜〜〜……

 そこで、硝子の携帯がなった。

「……白井先輩からだ。ちょっと待ってて……」

 硝子が電話にでる。

「はい……すいません先輩、ちょっとバスに酔っちゃって……
はい……いえ、もう大丈夫です。……もうすぐ私も行きますから。
……はい、ご心配おかけしてすいません……。はい、ではすぐに……」

 ピッ、と硝子が通話を終えて立ち上がる。

「……本当にごめんなさい、目覚くん。せめて最後の後片付けくらいは私にやらせて?」

 そう言って硝子が手を差し出してくるので、素直に道具やゴミ袋を渡した。

「私はもう大丈夫だから。早く行ってあげて?  一人きりの茂武市くんもやきもきしてるだろうし」
「……ん。わかった」

 笑顔で見送ってくる硝子に頷いて、踵を返した。歩き出して、

「……目覚くん」

 すぐに声をかけられた。

「……私は。白井先輩とのコトは応援できない。……だってあの人は……」

 そこで言葉が途切れてしまった。振り返った計佑が、代わりに言葉を継いだ。

「須々野さんの憧れの人だから、でしょ? ……まあ気持ちはわかるけど、さ。
あんな凄い人にオレみたいなのが近づこうとしたら、そりゃあ面白くないよね」

 苦笑を浮かべる計佑に、硝子は首を振って呟いた。

「……むしろ逆だよ……」
「え?  ごめん、よく聞こえなかったんだけど」

 硝子の声は小さすぎて。聞き返したのだけれど、硝子は笑顔を浮かべた。

「……私が応援できるとしたら、まくらとだけだよ。そう言ったの」
「もーっ、結局それなの? 須々野さんも相当頑固だよね……」

 ため息をつく計佑に、硝子は寂しそうに笑ってみせるのだった。

─────────────────────────────────

 この温泉は基本予約制で、今は雪姫とカリナの二人きりだった。
そこへ漸く現れた硝子に、雪姫は軽く駆け寄った。

「硝子ちゃん!!  ホントに大丈夫なの? ごめんね、気付かなくて……」

 真っ先に、雪姫は謝った。
 神様(断じてオバケではない!!)の事で頭が一杯で、なかなか硝子の不在に気付
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