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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第16話 『温泉へ。まくらが語る呪いの真相。「目覚くんは無理だと思いますよ」』
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を切った。

「……まず。なんでホタル──美月芳夏さんのコトを話さなかったというと、
ホタルちゃんの話が、その時はさっぱり意味がわかんなかったから。
さっき、"思い出した" って言ったでしょ?
昔……子供の頃ホタルちゃんに会ってたコトを思い出して、
それでホタルちゃんの言ってたコトも全部わかったって感じなんだよね」
「子供の頃!?  なんだそりゃ!?  まだ元気だった頃に、幽霊と話したってのか?」
「そう。計佑は結局思い出せないみたいだけど……計佑も私と一緒に会ってるんだよ?
昨日行った島で──子供の頃、キャンプに行った時に」
「ええ!?  ウソだろ!?」

 そう言われても、やはり計佑には思い出せなかった。
 確かに、まくらとキャンプをした記憶はある。
でも、まくらや両親とキャンプをしたコトは何度かあって、一体どれがいつの記憶だとかも、はっきりとは思い出せないぐらいだった。

「……それでね。なんで私がこんなになっちゃってるかというと……これは自業自得なんだよね。私がそう望んだからで」
「望んだ? ……寝たきりになることをか!?」

 計佑の疑問に、またまくらが苦笑した。

「じゃなくて。正確には幽霊になりたいって願いをね。ホタルちゃんにお願いしちゃったんたよね……」
「な……なんだそりゃ……なんでそんな願いを……」

 さっぱりわからず尋ねた計佑に、まくらは困ったように笑って、

「お母さんに会えると思ったからさ」

 そう答えた。

「…………!!」

 その答えに、計佑は何も言えなかった。
 子供の頃……母親が亡くなった後のまくらは、一時期本当に元気がなかった。
 強がって笑顔をみせることはあの頃からあったけど、それでも小さい子供がそんな事徹底できる訳もなく。
 その時期は、計佑も子供ながらにまくらを元気づけようと必要以上に連れ回したり、じゃれついていたりした記憶があった。

「……まー、子供ってホントバカだよねー!!  勿論今だったらそんなコト考えるワケないんだけどっ」
 
 暗くなった雰囲気を払拭しようとしてか、まくらが明るい声を出してみせる。

「…………」

 それでも計佑は俯いたまま、何も返事を出来なかった。
 まくらが空咳をついて、また説明をはじめる。

「ともかくそんなワケで。なんか随分時間が空いちゃったんだけど、例のバラの傷でこの呪いが始まったみたいなんだよね……」

 聞き捨てならない言葉を聞いて、計佑はバッと顔をはね上げた。

「呪いってなんだ!? お前がショックを受けてたのはそのコトなのかっ!?」
「えっ!?  あっ、あ〜いや〜ちょっと大袈裟に言っちゃっただけで、そんな大層な──」
「誤魔化すなよ!! オレ
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