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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第16話 『温泉へ。まくらが語る呪いの真相。「目覚くんは無理だと思いますよ」』
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 女湯から、今度は硝子の嬌声や、普段は凛々しいカリナの、別人のような艶っぽい声が聞こえてきたりで。
耐えられなくなったのだった。

─────────────────────────────────

「お?  なんだよ、結局早かったじゃないか計佑」
「……あー……まあな……」

 外で炭酸を飲んでいた茂武市が、出てきた計佑に気付いて声をかけてきた。

「……またえっらく赤い顔してんなー……なんか湯に浸かってた時より赤くね?」
「……悪い……」
「? なんで謝るんだ?」

 それには答えなかった。
 茂武市を追い出すような事をしておいて、
自分は硝子やカリナの嬌声を聞いてしまった事が申し訳なかったのだが、それは流石に口に出せなかった。
 計佑も何か飲み物を買おうとして、そこでふよふよと建物から出てくるまくらに気付いた。
茂武市の手前、ちらりと見ただけで無視していたのだが、まくらはふわりと近づいてくると、

「……話があるんだ、計佑。皆が行こうって話してた展望台で待ってる」

 そう告げて、ふわりと去っていった。ちらり見えた横顔は、なんだかぼんやりとしていて。

──話ってなんだ……まさか、本当にオバケと会えたとかじゃないよな!?

 このタイミングで改めての話なんてそれくらいしか思いつかないが、とりあえず展望台へ向かうことに決めた。

「なあ茂武市。早いかもしれないけど、オレ散歩がてら展望台に向かうわ」
「あ?  ……じゃーオレもそうすっかなー」

 茂武市が腰を上げようとするので、

「いやいや、お前はみんなを待っててやってくれよ。
お前まで来ちゃったら、後で女子だけで移動するコトになっちゃうだろ?」

 そう言って止めた。そもそも、茂武市について来られてはまくらとの話もできなくなってしまう。

「……うーん……女子の風呂は長引きそうでヒマ持て余しそうなんだがなぁ……ん!? いや待てよ!!
 そうか、しばらくの間はオレのハーレムタイムってことか!?
オッケーオッケー、ナイト役はオレがきっちり果たしてみせるからお前はさっさと行ってくれ!!」

最初は渋ったかと思えば手の平を返す親友の姿に苦笑が漏れるが、その言葉に甘えて計佑は展望台へと向かうのだった。

─────────────────────────────────

 計佑が展望台へ着くと、まくらは手すりに座ってぼんやりと景色を眺めているところだった。

「おい、まくら。話ってなんだ?  まさか本当にオバケだか神様に会えたりでもしたのか?」

 計佑が話しかけると、ゆっくりと顔を計佑に向ける。
──その表情はなんだか気の抜けたもので、計佑も拍子抜けする。

「なんだよ、そのぽやーっ
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