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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第15話 『まくらとの喧嘩、変わり始める関係。「お前、どんだけ失礼なんだよ」』
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えてる余裕がねーんだよ……」

──そんな、泣き言を漏らしてしまうのだった。

─────────────────────────────────

 屋敷に戻った後。
お風呂に入って、朝食をとった計佑は──今、庭掃除をさせられていた。
『朝帰りなんかした罰だよっ!!』 そう、雪姫の祖母に叱られて。
嵐のせいで仕方なかったことなのだけれど、その分を差し引いても、の罰らしかった。
 まあ確かに、お世話になっている事を思えば、掃除の一つ二つ罰でもなんでもない。
ただ、雪姫にはまた申し訳ない事になってしまっていた。
雪姫は計佑の事情に巻き込まれただけなのに、やはり罰として、今は台所掃除をさせられている。

──そう言えば……今朝からずっと、先輩にも心配かけっぱなしだよな……

 島から帰ってくる間、朝食の間、ずっと心配そうに自分を見つめてくれていた。
 自分の今朝からの雪姫への態度を思い返して、あらためて申し訳なくなる。

──いい加減、立ち直らないとな……

 そう思うのだけれど、一向に気分が上向いてこない。
それほど、まくらからの拒絶には深いダメージを受けていた。

 島から帰る時になっても、まくらの機嫌は直っていなかった。
 朝、計佑達がボートのところに戻ってきた時、まくらはボートの上に座り込んでいたが、
計佑たちの姿を確認した途端、一人で空を飛んで先に帰ってしまっていた。
 結局昨夜怒らせてしまってからは、一言も口をきいていない。
 気分屋なまくらは、よく怒りもするが機嫌が治るのも早い。
けれど今回みたいに、完全にキレてしまった時は例外だった。
そして、あんな軽蔑したような目で見られたのは初めてのことで──

──本当に……嫌われちまったのかな……

 まくらからの最後の言葉を思い出して、立ち直るどころか、またずぶずぶと沈み始める。
 はぁ……と、また大きなため息が出て、掃除の手すら止まってしまった。

「…………」

 無言で立ち尽くしてしまう。──と……

カサッ……

 頭に何やら軽い衝撃があり、頭でバウンドしたらしいそれが、計佑の斜め前に落ちた。
──おにぎりか何かの包装紙だった。

「……?」

 ゆっくり振り返ると、

──まっ……まくら……!!

 まくらが、もじもじしながら立っていた。

「……あ……」

 久しぶりに見る気がする、間近な距離のまくらに、上手く言葉が紡げなかった。

──まっ……まだ怒ってるんだろうか……?

 こうして近づいてきてくれたということは、今朝よりは機嫌は治っているのかもしれない。
けれど、もう怒っていないだろうというのも希望的観測すぎる気もして。

「その……」

 あの時の会話に、
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