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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第14話 『島編第3話・何もかも告白させられて。「先輩のこと、守ってあげたくなりました」』
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 溢れそうなくらいに膨らんでしまった気持ちを、思い切って伝えたのに "気の迷い" 扱いだなんて──
これだけは、どんな理由を聞かされても納得できる気がしなかった。

「それは……その。昨夜の先輩、すごく危ないトコだったでしょう?
そこにタイミングよく駆けつけた俺が殊更よく見えただけなんじゃ、みたいな……
ほら、危機的状況のドキドキを、恋心と勘違い──なんて、よく聞く話じゃないですか?」

 そんなことを、「ね?」みたいな顔で少年がほざいてくるけれど──雪姫からしたら、勘違いも甚だしい話でしかなくて。

「ちがっ……だって私はっ」
 
 口ごもる。けれどそれも一瞬のことだった。
この少年には、一から十まで説明するくらいじゃないと、きっと伝わらないから。

「昨夜のコトはっ、そりゃあトドメにはなったけどっ……
駄目押しになったのは、終わった後の謝罪と笑顔なんだしっ!!
……それに!! そもそも、その前から好きになってたんだから!! そういうのじゃあ、全然ないのっ!!」

 そう、はっきりと伝えると。

「……え……ええっ!?」

 案の定、大袈裟に驚く計佑。

「えっ……だって!?  あの前って……いっつもオレのコトからかってばっかりでしたよね!?」
「っっっ……!!」
 
 ぐっと言葉に詰まった。それを言われると、ちょっと痛いのだけれど──
ここで黙ってしまったら、この少年はまた誤解をしてしまって、それで終わりになってしまいそうだ。

「……あのね、何とも思ってない男の子をからかうためだけに、あんなに近づいたりしないよ?
 ……あとね、好きでもない男の子からの痴漢行為を、いくつも許すと思う?」
 
 噛んで含めるように言って。少年の理解を待つように間をとった。

「……え……あ……じゃあ……」

 じわじわと少年の顔が赤くなっていく。
 それをじっと見つめ続けていると──突然、計佑が何かに気づいたようにビクリとした。

「……えっ!? ちょっと待って下さい?
それじゃあまさか、かなり最初の頃からオレを……ってコトになりませんか!?」
「……〜〜〜っっ!!」

──〜〜〜そんなコト、あらためて確認しないでよぉ!!!!

 何でこんなに逐一説明させられているのか……恥ずかしさで顔から火が出そうだ。
それでも、毒を食らわば皿まで──な心境で、洗いざらいぶちまけていく。

「うぅ……そっそうだよっ!!
裏門の日にはもう──それどころか、もしかしたら入学式の時にでも。
……ちゃんと自覚したのは終業式の頃だったけど……それは仕方ないでしょっ!?
私はこれが初恋だったんだもん!!」

……勢いに任せて、余計な情報まで付け加えてし
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