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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第14話 『島編第3話・何もかも告白させられて。「先輩のこと、守ってあげたくなりました」』
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「いやあのっ先輩っ!! さっきは変なコト叫んですいません!! でもオレ、ホントに覗いたりはしてませんから!!」
「……そんなの知ってるし」

 ボソリと呟かれたが、何とか計佑にも聞き取ることが出来た。

「え……? じゃああの、何を怒って……」
「えっ!? そっその、それはっ……」

 聞き取られるとは思ってなかったのか、今度は雪姫が慌てだした。

「……そう!  計佑くんのその目付きよっ!!
『またそんな子供っぽい……』とか思ってそうなその顔に怒ってるだけっ!!」
「えっ? いやそんなつもりは……普通にカワイイと思いますけど」
「えっ!?」「な!!」

 雪姫とまくらの驚いた声が重なった。

──えっ!?  なに何!?  なんか変なコト言ったオレ!?
  そりゃあ確かに子供向けだろうけど、普通に可愛らしいデザインのクマだと思うんだけど……?

……少年は、パジャマに関しての感想を言っただけのつもりだった。
なので当然、二人の少女の大袈裟なリアクションの意味がわからない。
 雪姫は赤い顔をして唇をむにゅむにゅしていて──昨夜もしばらくそんな顔をしていたような──
まくらのほうは、はっきりと頬を膨らまている。

──……なんなんだ一体……

 それでもやっぱり気付かない、ある意味幸せな少年だった。

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 結局、雪姫が怖がるので計佑も部屋を移らずに着替えを済ませた。
 ちなみに、雪姫も計佑の着替えを覗いたりはしなかった。
見たい欲求より、万が一計佑に気付かれたらどう思われるか──そんな不安が上回っての事だった。

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 パジャマを褒めた後、雪姫の機嫌は直ったようだった。
覗いたりしなかったというのはわかってくれていたようだし、それで計佑も安心した。
 まくらはふくれっ面をしていたが、それは珍しくもない事なのであまり気にせず、
雪姫と二人でボロ畳の上に座り込んで、壁に寄りかかりながら会話に興じるのだった。

「なかなか嵐がおさまらないね……もう今日はここから動けないかなぁ?」
「そうですね……ケータイ通じないってのも痛いですね。連絡できないと随分心配かけちゃうだろうし……」
「嵐が去っても、夜の海を渡るワケにもいかないもんね……今日は泊まりかなぁ。
おばあちゃんはまだしも、何も知らないカリナ達にはホントに心配かけちゃうだろうね……」
「……ホントにすいません。オレに付きあわせたばっかりにこんなコトになって」

 計佑が、あらためて雪姫に頭を下げた。

「あっううん、いいのいいの!!
確かにコワイのはちょっとアレだけど…
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