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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第14話 『島編第3話・何もかも告白させられて。「先輩のこと、守ってあげたくなりました」』
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ぁ……?」

──反則だっ……!!  なんでそんな仕草で、そんなセリフをっ……!!

 美しくて可憐な少女の、不安そうな上目遣い。
そしてその口から出てきた言葉は、なんだか特別な響きを感じさせて。
 小悪魔な一面と、健気な一面が目まぐるしく入れ替わる少女に、計佑はまたタジタジになる。
 それでも不安そうな雪姫を前に黙っていられず、とにかく少年は口を開いてみる。

「いえっ……そんなコトないです。
……先輩になら、弄られるのも意外とキライじゃないし……
それにそういう時の先輩って、なんかスゴク可愛らしかったりもするんですよね」

 結局、本音を晒すしかなかった。
 そして、少年が本音を漏らす流れは大抵──

「そっ……そうなんだ……///」

──雪姫が照れる羽目になるのだった。

「……計佑くんは、天然で私をいぢめてくるんだからおあいこだと思うんだよね……」

 計佑に聞こえないほど小さい声で、呟く雪姫だった。

─────────────────────────────────

「また、手を握っていてくれる?」
「え゛」

 そろそろ休もうかという話になった時、雪姫がそんな事を頼んできた。
 思わず、変な声が出てしまう計佑。

「むっ……なによー。昨日は一晩中握っていてくれたじゃない……」

 雪姫が唇を尖らせるが、今日の計佑としては、2つの理由でちょっと首を縦に振れなかった。

「あー……えっとですね……」

 理由の1つはかなり恥ずかしかったが、
もう1つの理由は雪姫には明かせないので、こちらを話すしかない。

「オレ……先輩の手を握ったままだと、ドキドキして寝付けそうにないんです」

 昨夜はそれで、なかなか寝付けなかった。……自分なら、きっと今日も同じことになる。

「あ……そうなんだ……ふふっ」

 拗ねた顔を見せていた雪姫だったが、その理由を聞くとくすぐったそうに笑った。

「……そういえば、私も。
……初めて計佑くんに手を握られた時は、すごくドキドキしたんだよ?
なんだか口もきけなくなるくらい、ね」
「え……」

 思い出す。確か、病院から逃げだした時だ。
そういえば、走っている間もその後も、しばらく雪姫は殆ど口を開かなかった。
てっきり、怒っているからだろうとばかり思っていたのだけど。

「そ……そうだったんですか……」

 以前から計佑のことが好きだった──今さら疑いはしないけれど、それを裏付けるような話を聞かされて、また顔が熱くなってしまう。
 そっと、計佑の手の甲に雪姫の手が重ねられた。更に頭に血が上る。

「私……計佑くんの手、大好きだよ。ドキドキさせられるけど、すごく安心もさせてくれる手なの」

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