第二十七話
[1/7]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
悠斗side
1998年10月10日 宮城県仙台市
俺はとある場所に向かって車を運転している。この世界において最も重要な人物に会うためだ。
「不動准将。一体何処に向かっているのですか?」
助手席に座っている、イルマ中尉が話かけてくる。ちなみに、後部座席にはシーマ中佐が座っている。
なに?普通運転手は、階級の低い奴が運転するだって?気にしないでくれ。ただ運転したかっただけだから。
「第四計画の司令部が横浜から、此方に移動した。その最高責任者に会いに行くのさ」
「横浜から?ああ。佐渡島にハイブが建設されたから、避難してきているのかい」
シーマ中佐の言った通り、佐渡島にハイブが建設された。
8月に京都防衛戦が繰り広げられ、京都を蹂躙したBETA群の進行は止まらず、北陸地方を蹂躙して日本海に進み佐渡島に再上陸を行った。
そして、佐渡島にH21(甲21号目標)が建設されてしまった。
この影響で、近畿と東海地方に避難命令が発令され、2500万人が避難を余儀なくされた。
正史であれば、日本の人口の30%にあたる3600万人が亡くっている。しかし、俺の介入のおかげで、西日本側の死者は軍人を除く民間人だけの場合、被害は0と言う輝かしい事になった。
現在は、佐渡島ハイブが建設されたこともあり、BETAの進軍は長野県付近で停滞している。
「その最高責任者のお名前は?」
「香月夕呼博士さ」
「香月夕呼博士?」
イルマ中尉やシーマ中佐が首を傾げる。まあ、余り認知されているはずがないからな。あくまで知っているのは、第四計画や第五計画に関わっている人間や、一部の政治家や軍人または企業の人間くらいだろうか。まあ、斯衛軍の一部や政威大将軍は、知っているだろうけどな。
「そうだな、一言で言うなら『天才』さ」
「天才ですか?」
そう。彼女は天才だ。最後の最後まで諦めずに世界を救う為に、己れの手を汚し、策略を練り、巧みな話術で相手を翻弄して、たった1人戦い続け抗い続けた女傑だ。2001年10月の段階では、追い詰められていた香月夕呼博士だが、まだ1998年の段階なら、追い詰められていないから今のうちに、接触しておく必要がある。
「1991年当時、若干17歳の若さで、帝都大学応用量子物理研究室に編入した、物理学の天才なのさ」
「なぜそんな学者さんに、会いに行く必要があるんですか?」
「現在香月博士が進めている、次世代並列処理回路に興味があるのさ」
「「はあ?」」
イルマ中尉やシーマ中佐が首を傾げる。まあ、技術者じゃなければ、興味が無いだろうな。
それに、香月博士の元には第三計画の遺児トリースタ・シェスチナ。いや、社霞が居る。香月博士は彼女のリーディング能力を使い、
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ