プロローグ
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悪は去った。
パンツを覗きに行くからスカートの中身を確認するに行動の目的を変換した。
常識人の俺としてはよくやった方だ。
実際、"武蔵"さんがパンツを穿いているかどうかなどしらん。
アレ? スカートの中身を確認するのと、パンツを見るのって結局あんまり変わらなくね?
まあいいか。"武蔵"さんには先に馬鹿がそっちにスカートの中身を覗きに行くよって知らせたし。
後は、番屋を待機させて現行犯逮捕だ。
俺には責任ないよな?
うん、ないはずだ。
●
表示枠《サインフレーム》を眺める自動人形がいる。
"武蔵"だ。
「どうしたの? "武蔵"さん。誰かこっちに来るのかな?」
「Jud.――。武蔵の総長兼生徒会会長がこちらに。ええ、私のスカートの中身を確かめに来ると、葵・ユーキ様より連絡がありました。――以上」
「へぇ。葵・ユーキ君がねぇ。彼も苦労してるんだろうねぇ。狂気度薄めだからね、葵・ユーキ君は……」
酒井忠次は薄い笑みを受けべて、一息ついて続けた。
「彼さぁ、初等部、中等部と結構ギリギリの出席日数でねぇ。高等部に入ってから落ち着いたけど。高等部以前の葵・ユーキ君は、ふらふら〜と消えてね。どこ行ってたの? て聞くと、武者修行って答えるのが彼のテンプレ回答なんだよねぇ」
困ったもんだねぇ。と呟きながらも、酒井忠次は何かを知っている様だった。
「真面目系人物と思っていた葵・ユーキ様は実は不良だったんですね? ――以上」
「どうだろうねぇ。一応、成績はトップだし、根は真面目系だと思うよ?」
ただし、
「放浪癖があるけどね。世界を自分の足で回ってみたいって、武蔵に乗ってるだけじゃ不満なのかねぇ」
「酒井様の話を聞く限りで判断しますと、不満があると判断します。――以上」
酒井忠次は白髪の混じった頭をかきつつ、どうしたもんかねぇ、と呟くようにそう言った。
「去年の今頃だったかな。葵・ユーキ君さ、三河に乗り込んで番屋にとっ捕まって俺、偉い人にマジ怒られしたの覚えてる?」
「Jud.、三河当主の松平・傀儡男《イエスマン》・元信様からお叱りを受けたのを記憶しています。――以上」
「彼さぁ、無断で武蔵から降りた上に、実は"新名古屋城"の正門付近まで侵入しちゃってて、三河の自動人形に超包囲されて、「俺って自動人形にモテモテ?」とか言ったらしいよ。彼、真面目系なのにやっぱり、馬鹿だよね?」
武蔵は、少しの間、考えた。しかし、彼女は、
「酒井様がマジ怒られした理由が現在になって理解できました。葵・ユーキ様のハシャぎ具合は行き過ぎていると判断します。――以上」
「だよねえ。その時の言い訳が、道に迷っただからね。絶対に確信犯だったよなぁ。結果だけ言えば、彼の侵入は無かった事になってるし
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