「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(新版)」の感想

tukiyomi
tukiyomi
 
コメント
更新お疲れ様です。

相変わらず戦術面では鬼のラインハルト。
今回の勝利は、『前皇帝の寵姫の弟による出世』というイメージを覆すに足る勝利であり(敵の数は3倍、おまけにイゼルローンを使わずに、戦術的手腕だけで勝利をもぎ取っている)、少なくとも同盟内で舐められる存在にはならないかと。
ただ『舐めてはいけない相手』とわかっていても、完璧に対処できるかどうかというと、そうならないというのが辛い所ではありますが。
この作品の優れている所は『原作知識は万能ではない』し『たとえそれが正しくても、主人公の地位や権限、令名が絶対的なものではない為、全般に影響を及ぼす可能性が低い』ために、原作知識がジョーカーたりえないことですから。
だからこそ、物語に深みが増していると言えるのですが。

トリューニヒトの対応見ていると、派閥のボスとしては正しいやり方ですね。
少なくとも人材を使い捨てにするつもりはないし、仮にあったとしても面には出さない。ついでに言えば、反省はするが責任を認めるような言質は、派閥の忠臣であっても見せない。若くして国防委員長になるだけありますわ。

現状の同盟に秩序や規律がないことを嘆くエリヤ君。
ヤンならば「個人の自由」を挙げるでしょうが、同じ事象を嘆いていても、その嘆く理由が違うという点が、エリヤとヤンの本質の相違をだしていますね。
ここら辺は、自分に自信を持っているヤンと、自分に自信を持っていないエリヤとの違いでもあるのですが、大抵の場合、後者の方が人数多いんですよねえ。
だからこそ前verでのクーデターでは、エリヤは抑えるべきポイントを完璧に抑え、原作と違いクーデターをごく短期間で解決するという大功を立てた訳ですが。 
作者からの返信
作者からの返信
 
感想ありがとうございます。

今回の戦いで「味方ごと惑星表面の爆発に巻き込む」「隕石攻撃を仕掛ける」といった原作にない手を使ったことからも分かるように、原作知識を使ったらラインハルトはそれなりの対応をしてくるでしょう。ヤンもそうです。原作で仲間になった人物が仲間にならなくても、ラインハルトやヤンならそこらのモブキャラを使って勝ってしまいます。彼らの下で戦えばモブもたちまち良将です。それくらい飛び抜けてます。

トリューニヒトはどこまでも親分です。それが長所であり限界です。

ヤンは自由もしくは理念の側の人間、エリヤは秩序もしくは空気の側の人間なので、気にする部分が違います。