「亡命編 銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)」の感想

DD13
DD13
 
コメント
【第百二十八話 新秩序】
若手の両雄の一方であるワイドボーンとココア閣下の良好な関係と一緒にヤンとココア閣下との不仲は、燎原の火のごとく軍内部にとどまらず同盟市民の間に広がるでしょう。
フレデリカのみならず第三艦隊の幹部を始め末端の兵卒にいたるまで、政府、軍の重鎮に大きな影響力をもち、和平をもたらしたココア閣下に楯突くような自分たちの艦隊司令官にはエル・ファシルの英雄と言えども不安を覚えずにはいられないでしょう。
ワイドボーンの仲介でココア閣下とエル・ファシルの英雄の邂逅を演出しないと、ヤンがクーデターの首魁に担ぎ上げられかねないです。
ヤンを最後まで支持してくれそうなのは、キャゼルヌ先輩ぐらいなのに対し、ココア閣下には、トリューニヒト議長、シトレ元帥の後ろ盾、手駒にはバグダッシュ、実戦部隊のローゼンリッターやポプランなどキラ星の面々、さらにネグロポンティを始め、諮問委員会へ出向している各委員会の若手のエースが取り巻くとなると、戦略的撤退しかヤンには残されていない様な気がする。
しかし、感情の問題だから、これを解消するのはフレデリカの役割なのだろう。
フレデリカとの結婚式でココア閣下が新郎側のスピーチを披露して邂逅をアピールするしかないだろう。
後は、自らが作った国際都市イゼルローンに高等弁務官として駐在し、さらに退官後も留まり「イゼルローンの御大」として過ごすのがココア閣下の一番無難な余生ではなかろうか。
さて、その時に彼の傍にいるのがサアヤなのか、エリザベートなのかは、お楽しみである。